2017年1月19日木曜日

【学問のミカタ】平等とは?

2016.12.21 ゼミ研究報告会懇親会にて(永下ゼミ)

皆さんこんにちは。
今週で第2期の授業も終わりですね。

そしていよいよ来週から定期試験。
ちゃんとTKUポータルサイトで【自分の試験日】を確認しましたか?

試験が終われば春休みです。第2期の成績発表日は3月14日です(4年生は別)。後悔しないように試験勉強を頑張りましょうね。

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さて。

今日は【学問のミカタ】。テーマは【冬】です。

現法さんは今年まだやっていなくて後悔していることがあります。それは、今年度着任した永下泰之先生へのインタビューです。中村先生、金崎先生に以前お願いしたようなインタビュー記事をブログにアップしようと思っていたのですが、なかなか実現できず。


【過去のブログ記事へ】「刑法」ってどう学んでいけばいいの?~若手教員 中村悠人先生に聞く~
【過去のブログ記事へ】「行政法」ってどう学んでいけばいいの?~若手教員 金﨑剛志先生に聞く~

2016.12.21ゼミ研究報告会懇親会にて

永下先生は若手教員なのか?!

・・・それは置いといて、永下ゼミを見ていると、男子学生の「兄貴」的存在ですよね。現代法学部の教員では今までに居なかったタイプの先生です。

また、先日女子学生と話しているときにも、「あのイケメンの先生」と話が出てきて、「イケメン・・・?一体誰・・・・・??」と思っていたら、話の流れから永下先生だということが分かりました。


そんな永下先生へのインタビューは近いうちに!としまして、今日は先に【学問のミカタ】に記事を寄せてもらいました。

ではどうぞ~。

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とある日のとある大学の研究室からの「冬」景色
「平等」とは?

 1月のテーマは、「冬」です。
そうすると、あれ、このブログのタイトルは「『平等』とは?」になっているじゃないか。「冬」と関係あるのか?と疑問を持たれる方も多いかと思います。けれども、とある1月の一大イベントは、まさに「平等」とはなにかを考えるキッカケを与えてくれます。
 
 正月も明け、1月になると、全国の大学教職員(もちろん全員ではありません)は、今年もいよいよやってきたかという思いを抱くイベントがあります。そう、

大学入試センター試験

です。受験生にとっての一大イベントは、我々教職員にとっても一大イベントなのです。

 センター試験は、すべての大学が会場になるわけではないのですが、かなりの数の大学が試験会場になります。東京経済大学も試験会場となっています。大抵の場合、試験会場となった大学の教職員が試験監督として動員されます。試験監督は、受験生の受験票をチェックしたり、不正行為がないよう監督する業務を行います。ところで、試験監督については、詳細なマニュアルが配布されていることはご存知でしょうか?

 センター試験の監督業務について、詳細なマニュアルがあるのは、マニュアルがないとそもそも監督業務の仕方がわからないということもあるのですが、何よりも試験会場ごとに「不平等」がないように全国一律で試験監督の一挙手一投足を厳密に規定する必要があるからです。こうすることで、北は北海道から南は沖縄まで、すべての試験会場において、全く同じ時間に全く同一の監督業務が行われることになります。このようにして、全国規模で、受験生の「平等」を図っているのです。

 ところが、この全国一律での取扱いは、実質的に「平等」といえるのでしょうか?例えば、東京経済大学の所在する東京都と北海道とを比べてみましょう。
 
 東京経済大学は東京都国分寺市に位置するので、「冬」ということを特に気にする必要はないのですが、北海道ですと、まさに「冬」ということがかなりの問題を生じさせます(筆者は以前北海道で勤務しており、試験監督業務も経験したことがあります)。みなさんも北海道をいうと雪景色を思い起こすでしょう。1月の北海道は、冬真っ盛りです。そのような中、センター試験が行われるわけです。
とある日のとある大学の冬景色
 第一に、試験会場の教室が寒い点が挙げられます。昨今の北海道内の大学は暖房施設が整っていますので、極寒というほどではありませんが、やはり非常な寒さを感じます。そのため、暖房をつけているのですが、熱気は教室にまんべんなく対流せず、寒い座席と逆に暑い座席があったりします(一般的には、窓側は寒く、廊下側が暑い)。会場内での実質的「不平等」とはいえませんか?

 第二に、雪によって交通障害が発生する可能性が(東京都などと比べると)格段に高いという点があります。なんの因果か、センター試験開催日は天候が荒れることが多いのです。筆者の経験ですが、センター試験の1日前に吹雪になり、電車などの公共交通機関が全てストップしたということもありました(幸い当日は問題ありませんでした)。こうした雪害の問題は、受験生にとっては非常に大きな精神的負担となりますし、体力的にもかなりの消耗を強いられます。これは、地域的な実質的「不平等」とはいえないでしょうか?
とある日のとある大学構内の道
 全国一律で受験生を統一的に扱う(これを形式的平等といいます)ことは必要ですが、地域差などを考慮に入れて受験生を取り扱う(これを実質的平等といいます)必要性もまた考えてみてもよいのではないでしょうか。

 毎年、冬になりセンター試験が近づき、雪のニュースを目にすると、「平等」とはなんなのか、ふと考えてしまいます。

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永下先生ありがとうございました。


先生はご出身が北陸なので、東京生活は初めてなのかなと思います。

昨年までとは違う場所で、昨年までと「全く同じ」ように設定された「センター試験」を経験され、同じだとは感じず思ったところがあったのでしょうね。

その一番は【冬】なのでしょう。


ではまた次回!
次回は【ゼミ研究報告会】の続きです。