2014年7月31日木曜日

現代法学部教員がおススメする、夏休み見学スポットや本

改修中の旧図書館。10月には「大倉喜八郎進一層館(Forward Hall)」
としてリニューアルオープンします!お楽しみに。


皆さんこんにちは。

定期試験お疲れさまでした。どうでしたか?

普段「僕は絶対徹夜で勉強しない」と言っていた学生も「火曜まで頑張れば後は寝れるから…」と宗旨替えをしていました。面白かったです。今頃ゆっくり寝ているのでしょうか。

待ちに待った夏休み!皆さんどのように過ごすのでしょうか。久しぶりに実家に帰って、お母さんの作る美味しいご飯を心待ちにしている学生さんもいるでしょう。海外に出かけていく学生さんもいるでしょうし、その資金稼ぎにバイトに精を出す学生さんもいるでしょう。

しかし、気付くと9月…しまった!何もしなかった!!ということもあります。そこで、現代法学部の先生に、お勧めの夏休みの過ごし方を聞いてみました。現法さんも1つ紹介します。

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片岡 直樹先生…「あんさんぶる荻窪」(荻窪)見学
久保 健助先生…「国立ハンセン病資料館」(東村山)見学
徐  京植先生…「本」を読もう
礒野 弥生先生…「谷根千」巡り
藤原 修 先生…「中村研一記念小金井市立はけの森美術館」(小金井)
現法さん…「国立近代美術館フィルムセンター」(京橋)
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000125片岡 直樹先生のおすすめ

「あんさんぶる荻窪」見学をおすすめします。

〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-15-13 (最寄り駅 :荻窪駅)

 「アンサンブル荻窪」は1階に福祉事務所、2階に児童館、5階に社会福祉協議会、3階に消費者センター、4階にすぎなみ環境情報館が入っていて、まさに「現代法学部の学び」が1カ所ですべて見ることができる素晴らしい施設です。

【杉並区施設案内へ】あんさんぶる荻窪

 


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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=3/0000269久保 健助先生のおすすめ

「国立ハンセン病資料館」見学をおすすめします。


〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13 (最寄り駅:清瀬駅、久米川駅)

 我々が生きた同時代に、国の制度としてこうした差別がまかり通っていたこと。それに加えて、自分自身がこうした問題についてほとんど知識を持たずに過ごしてきたことに強い慚愧の念に囚われました。
今更出来ることは少ないかも知れませんが、まずはしっかりとその歴史と問題点を理解することが、踏み出すべき第一歩だと思います。

畑谷 史代『差別とハンセン病  「柊の垣根」は今も』 (平凡社新書) [新書]
図書館にもあるようです(1階:新書文庫 /081/14/v.307 0638935 )

なお、国立ハンセン病資料館のHPを参照して下さい。

 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000133徐 京植先生のおすすめ

本を読もう。

上岡直見『原発避難計画の検証』合同出版 1800円+税
 川内原発の再稼働が目前に迫っている中で、原発事故の問題をもう一度見直してみましょう。事故は起こらない、安全だ、ということはもういえません。そうだとすると、現雑を再稼働する場合には、避難計画がきちんとしている必要があります。これは、原発周辺の人だけの問題ではありません。日本中の人が考えなければならない問題です。事故の検証、原子炉の安全性の課題といろいろありますが、ここではちょっと見方を変えて、避難計画という視点から、もう一度立ち止まって考えるための本です。

山下祐介・市村高志:佐藤彰彦『人間なき復興』明石書店 2200円+税
 原発事故で被災した福島の地域は、新聞報道で見ると、着々と復興に向かっているかのように見えている。本書は、避難を余儀なくされた市村の心の動きを中心に、原発被害とは何か、原発事故からの復興とは何かを、社会学者と共に考えるという本です。普通の人が突然、住んでいる地域を追われるというとんでもない事態に接して、何をどう考えて良いかもわからないという状態の中から、様々な問題を考えるという内容です。日本の今を考えるとき、ぜひ読んで欲しい本です。

ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』上・下 岩波書店 2500円+税

 発売となるとともに、世界中でベストセラーになった本の翻訳本です。30以上の言語で翻訳が出されているそうです。この本のショック・ドクトリンという意味は、政変や自然災害などの危機によって、人々がショック状態になったときこそが、市場原理主義に基づく経済政策を導入するチャンスだとする新自由主義の考え方をもって、世界各地で実践して、人々を悲惨な目に遭わせているということを、具体的な取材に基づいて著している本です。学期の間は、世界に目を向けたり、自分たちの身の回りの出来事をグローバルに把握する時間もないと思います。こんな風な捉え方もあるのか、という視点で、是非読んでみてください。

 宮本憲一『戦後日本公害史論』岩波書店 
 
 この本は高い、厚いと、本に伸ばす手も引っ込んでしまいそうになる書物です。図書館から借りて読む本ですね。でも、第2次大戦後の復興期から高度成長期、そしてバブルを経て現在に至る経済政策、開発政策の裏側で、何が起こっていたのか、それに対する政策はどのようなものだったかについて、「公害」問題から切り込んでいます。著者のライフワークともいえる本です。公害問題や地域の問題に関心がある人にはぜひ読んで欲しい本です。

 まだまだ、宗教の本等ありますが、他の人は絶対に勧めないだろう本を取り上げてみました。



 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000121礒野 弥生先生のおすすめ
 

「谷根千巡り」をおすすめします。
 
 熱中症を気をつけながら、「谷根千」めぐりはいかがですか。
 「谷」は谷中、「根」は根津、「千」は千駄木の略で、今は昔の町並みが残っているところで、現在、外国からの観光客も多いところです。あまりに有名ですが、一度は行っておくべき場所だと思っています。
 


 「谷根千」は、この古くからある町の歴史についてお年寄りから聞き取るということで始まった雑誌「谷中・根津・千駄木」の名前から来ています。地域雑誌としてつとに有名になり、全国区の雑誌となり、地域おこしの一つの発信源となっていきました。
 
 
 雑誌の編者である森まゆみさんの『谷中スケッチブック 心やさしい都市空間』(筑摩文庫)を片手に歩いてみてください。この町をぶらぶらと歩きながら、竹細工の店、アクセサリーの店、かわいいギャラリーと、気に入った店にふらりと入り、店主と話をするのは楽しいですよ。気に入ったものを買えば、なお喜ばれるでしょう。歴史を尋ねるならば、根津神社、多くの文化人が眠る谷中墓地、寺町の上情緒を感じる観音寺の築地塀はオーソドックスですね。旧岩崎邸の庭園朝倉彫塑館はのんびりと楽しめるはず。朝倉彫塑館ではたくさんの猫にあえますよ。

 町並み保全、景観保護といえば、町並みにそぐわないとマンション建設反対運動も起こっています。マンション業者が町並みに調和したデザインにかえています。そんなマンションはどこかな、と探すのも一興です。日暮里で降りて、ぐるっと回り、上野に出るという、ゆっくり楽しめば、1日コース、少し早めに半日コースというところです。

 町歩きを終えたら、今自分の住んでいる町の昔はどうだったのかについて今一度見直して、勇気を出して古老に聴きに行ってみましょう。住いる町の違った姿が見えてくると思います。森まゆみさんの『不思議の町・根津 ひっそりした都市空間』(ちくま文庫)、そして、『抱きしめる、東京 町とわたし』も読んでください。


 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000140藤原 修先生のおすすめ

「中村研一記念小金井市立はけの森美術館」をおすすめします。

 皆さんは「大学から一番近い」美術館はどこか知っていますか?それがここ、小金井市立はけの森美術館です。頑張れば大学からも歩いて行くことができます。現在、企画展として「猪熊弦一郎展」が開催されています。(7月19日(土)~9月7日(日))猪熊弦一郎は、三越の包装紙のデザインで有名ですね。
 

 もうひとつ薦めるとすれば一般的ですが東京国立博物館で開催中の「台北国立故宮博物院-神品至宝-」展です。
 


 
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現法さんのおすすめ

「国立近代美術館フィルムセンター」をおすすめします。

 
 皆さんは映画を見ますか?現法さんは最近の映画はあまり観ませんが、無声映画とかトーキーとかも含めて古い映画が好きです。ここで上映される映画は古い映画ばかりですが、学生は何と310円で見ることができます。
 
今は映画監督増村保造の作品57本を一挙に上映しています。また、夏休み期間中には「映画の教室2014」というイベントも行われ、なかなか有名な、教養として観ておくといい映画を上演します。昔の女優さんって本当にきれいですよ~。
 大人料金も安いせいか、夜の回に行くといびきをかいて寝ているおじさんたちもちらほら。イラっとする時もありますが、とてもお得です。

【国立近代美術館フィルムセンターホームページへ】
【映画の教室2014へ】


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いかがでしたか?
まだ夏休みの予定を何も決めていない人はぜひ参考にしてください。

インタビューしていて、悲しい回答もありました。。。

「お勧めの場所?・・・特にないです。毎日、大学~事務所~家のゴールデンルートをめぐっているだけですので。」

さて誰でしょう?

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夏休みには楽しいのと裏腹に「危険」が伴います。大いに満喫していただければと思いますが、羽目を外しすぎないこと。気をつけてくださいね。特に今話題になっている「危険ドラッグ」なんて、絶対に手を出さないように!興味本位でも絶対ダメです。


夏休み後にまた皆さんと会えることを楽しみにしています。

ではまた次回!