2014年7月31日木曜日

現代法学部教員がおススメする、夏休み見学スポットや本

改修中の旧図書館。10月には「大倉喜八郎進一層館(Forward Hall)」
としてリニューアルオープンします!お楽しみに。


皆さんこんにちは。

定期試験お疲れさまでした。どうでしたか?

普段「僕は絶対徹夜で勉強しない」と言っていた学生も「火曜まで頑張れば後は寝れるから…」と宗旨替えをしていました。面白かったです。今頃ゆっくり寝ているのでしょうか。

待ちに待った夏休み!皆さんどのように過ごすのでしょうか。久しぶりに実家に帰って、お母さんの作る美味しいご飯を心待ちにしている学生さんもいるでしょう。海外に出かけていく学生さんもいるでしょうし、その資金稼ぎにバイトに精を出す学生さんもいるでしょう。

しかし、気付くと9月…しまった!何もしなかった!!ということもあります。そこで、現代法学部の先生に、お勧めの夏休みの過ごし方を聞いてみました。現法さんも1つ紹介します。

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片岡 直樹先生…「あんさんぶる荻窪」(荻窪)見学
久保 健助先生…「国立ハンセン病資料館」(東村山)見学
徐  京植先生…「本」を読もう
礒野 弥生先生…「谷根千」巡り
藤原 修 先生…「中村研一記念小金井市立はけの森美術館」(小金井)
現法さん…「国立近代美術館フィルムセンター」(京橋)
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000125片岡 直樹先生のおすすめ

「あんさんぶる荻窪」見学をおすすめします。

〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-15-13 (最寄り駅 :荻窪駅)

 「アンサンブル荻窪」は1階に福祉事務所、2階に児童館、5階に社会福祉協議会、3階に消費者センター、4階にすぎなみ環境情報館が入っていて、まさに「現代法学部の学び」が1カ所ですべて見ることができる素晴らしい施設です。

【杉並区施設案内へ】あんさんぶる荻窪

 


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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=3/0000269久保 健助先生のおすすめ

「国立ハンセン病資料館」見学をおすすめします。


〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13 (最寄り駅:清瀬駅、久米川駅)

 我々が生きた同時代に、国の制度としてこうした差別がまかり通っていたこと。それに加えて、自分自身がこうした問題についてほとんど知識を持たずに過ごしてきたことに強い慚愧の念に囚われました。
今更出来ることは少ないかも知れませんが、まずはしっかりとその歴史と問題点を理解することが、踏み出すべき第一歩だと思います。

畑谷 史代『差別とハンセン病  「柊の垣根」は今も』 (平凡社新書) [新書]
図書館にもあるようです(1階:新書文庫 /081/14/v.307 0638935 )

なお、国立ハンセン病資料館のHPを参照して下さい。

 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000133徐 京植先生のおすすめ

本を読もう。

上岡直見『原発避難計画の検証』合同出版 1800円+税
 川内原発の再稼働が目前に迫っている中で、原発事故の問題をもう一度見直してみましょう。事故は起こらない、安全だ、ということはもういえません。そうだとすると、現雑を再稼働する場合には、避難計画がきちんとしている必要があります。これは、原発周辺の人だけの問題ではありません。日本中の人が考えなければならない問題です。事故の検証、原子炉の安全性の課題といろいろありますが、ここではちょっと見方を変えて、避難計画という視点から、もう一度立ち止まって考えるための本です。

山下祐介・市村高志:佐藤彰彦『人間なき復興』明石書店 2200円+税
 原発事故で被災した福島の地域は、新聞報道で見ると、着々と復興に向かっているかのように見えている。本書は、避難を余儀なくされた市村の心の動きを中心に、原発被害とは何か、原発事故からの復興とは何かを、社会学者と共に考えるという本です。普通の人が突然、住んでいる地域を追われるというとんでもない事態に接して、何をどう考えて良いかもわからないという状態の中から、様々な問題を考えるという内容です。日本の今を考えるとき、ぜひ読んで欲しい本です。

ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』上・下 岩波書店 2500円+税

 発売となるとともに、世界中でベストセラーになった本の翻訳本です。30以上の言語で翻訳が出されているそうです。この本のショック・ドクトリンという意味は、政変や自然災害などの危機によって、人々がショック状態になったときこそが、市場原理主義に基づく経済政策を導入するチャンスだとする新自由主義の考え方をもって、世界各地で実践して、人々を悲惨な目に遭わせているということを、具体的な取材に基づいて著している本です。学期の間は、世界に目を向けたり、自分たちの身の回りの出来事をグローバルに把握する時間もないと思います。こんな風な捉え方もあるのか、という視点で、是非読んでみてください。

 宮本憲一『戦後日本公害史論』岩波書店 
 
 この本は高い、厚いと、本に伸ばす手も引っ込んでしまいそうになる書物です。図書館から借りて読む本ですね。でも、第2次大戦後の復興期から高度成長期、そしてバブルを経て現在に至る経済政策、開発政策の裏側で、何が起こっていたのか、それに対する政策はどのようなものだったかについて、「公害」問題から切り込んでいます。著者のライフワークともいえる本です。公害問題や地域の問題に関心がある人にはぜひ読んで欲しい本です。

 まだまだ、宗教の本等ありますが、他の人は絶対に勧めないだろう本を取り上げてみました。



 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000121礒野 弥生先生のおすすめ
 

「谷根千巡り」をおすすめします。
 
 熱中症を気をつけながら、「谷根千」めぐりはいかがですか。
 「谷」は谷中、「根」は根津、「千」は千駄木の略で、今は昔の町並みが残っているところで、現在、外国からの観光客も多いところです。あまりに有名ですが、一度は行っておくべき場所だと思っています。
 


 「谷根千」は、この古くからある町の歴史についてお年寄りから聞き取るということで始まった雑誌「谷中・根津・千駄木」の名前から来ています。地域雑誌としてつとに有名になり、全国区の雑誌となり、地域おこしの一つの発信源となっていきました。
 
 
 雑誌の編者である森まゆみさんの『谷中スケッチブック 心やさしい都市空間』(筑摩文庫)を片手に歩いてみてください。この町をぶらぶらと歩きながら、竹細工の店、アクセサリーの店、かわいいギャラリーと、気に入った店にふらりと入り、店主と話をするのは楽しいですよ。気に入ったものを買えば、なお喜ばれるでしょう。歴史を尋ねるならば、根津神社、多くの文化人が眠る谷中墓地、寺町の上情緒を感じる観音寺の築地塀はオーソドックスですね。旧岩崎邸の庭園朝倉彫塑館はのんびりと楽しめるはず。朝倉彫塑館ではたくさんの猫にあえますよ。

 町並み保全、景観保護といえば、町並みにそぐわないとマンション建設反対運動も起こっています。マンション業者が町並みに調和したデザインにかえています。そんなマンションはどこかな、と探すのも一興です。日暮里で降りて、ぐるっと回り、上野に出るという、ゆっくり楽しめば、1日コース、少し早めに半日コースというところです。

 町歩きを終えたら、今自分の住んでいる町の昔はどうだったのかについて今一度見直して、勇気を出して古老に聴きに行ってみましょう。住いる町の違った姿が見えてくると思います。森まゆみさんの『不思議の町・根津 ひっそりした都市空間』(ちくま文庫)、そして、『抱きしめる、東京 町とわたし』も読んでください。


 
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http://www.tku.ac.jp/department/law/teacher/?id=2/0000140藤原 修先生のおすすめ

「中村研一記念小金井市立はけの森美術館」をおすすめします。

 皆さんは「大学から一番近い」美術館はどこか知っていますか?それがここ、小金井市立はけの森美術館です。頑張れば大学からも歩いて行くことができます。現在、企画展として「猪熊弦一郎展」が開催されています。(7月19日(土)~9月7日(日))猪熊弦一郎は、三越の包装紙のデザインで有名ですね。
 

 もうひとつ薦めるとすれば一般的ですが東京国立博物館で開催中の「台北国立故宮博物院-神品至宝-」展です。
 


 
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現法さんのおすすめ

「国立近代美術館フィルムセンター」をおすすめします。

 
 皆さんは映画を見ますか?現法さんは最近の映画はあまり観ませんが、無声映画とかトーキーとかも含めて古い映画が好きです。ここで上映される映画は古い映画ばかりですが、学生は何と310円で見ることができます。
 
今は映画監督増村保造の作品57本を一挙に上映しています。また、夏休み期間中には「映画の教室2014」というイベントも行われ、なかなか有名な、教養として観ておくといい映画を上演します。昔の女優さんって本当にきれいですよ~。
 大人料金も安いせいか、夜の回に行くといびきをかいて寝ているおじさんたちもちらほら。イラっとする時もありますが、とてもお得です。

【国立近代美術館フィルムセンターホームページへ】
【映画の教室2014へ】


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いかがでしたか?
まだ夏休みの予定を何も決めていない人はぜひ参考にしてください。

インタビューしていて、悲しい回答もありました。。。

「お勧めの場所?・・・特にないです。毎日、大学~事務所~家のゴールデンルートをめぐっているだけですので。」

さて誰でしょう?

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夏休みには楽しいのと裏腹に「危険」が伴います。大いに満喫していただければと思いますが、羽目を外しすぎないこと。気をつけてくださいね。特に今話題になっている「危険ドラッグ」なんて、絶対に手を出さないように!興味本位でも絶対ダメです。


夏休み後にまた皆さんと会えることを楽しみにしています。

ではまた次回!

2014年7月25日金曜日

今年もやります!
~ゼミ研究報告会(オール現法!の会)

 
 
みなさんこんにちは。
 毎日暑い中テスト勉強に励んでいることでしょう。来週まで頑張れば、8月は楽しい夏休みです。

テスト勉強の最中でしょうから、今回は読み物ではなく、手帳に書けばいいだけの『告知』をします。

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昨年好評だった「ゼミ研究報告会」ですが、今年もやることになりました。12月17日(水)です。14:40~の予定です。場所は1号館にするか5号館にするか検討中。決定したらあらためてご連絡します。現代法学部に興味のある人なら、他学部でも、高校生でも、ご父母でも参加可能です。

現代法学部のゼミ研究報告会は、ゼミを選択する1,2年生だけではなく、3年生が来ても参考になるような制度設計にしています。4年生は・・・楽しめるか分かりませんが、参加を歓迎します!たくさんの教員が集まりますのでお夕飯を食べに来がてら、是非先生と話に来てください。

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当日の流れはこんな感じです。

1.ゼミ研究報告
2.就職活動体験談報告~就職活動とゼミ
3.学部長挨拶
4.懇親会(これは現法生のみ)

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参加ゼミですが、現在募集中です。ただ、昨年は9ゼミ16団体でしたが、今年は既に11ゼミ26団体からのエントリーがありました。昨年よりも盛り上がることは必須でしょう。

参加ゼミを紹介します。
  ①礒野 弥生ゼミ(環境法)
  ②大出 良知ゼミ(刑事法)
  ③奥山 正司ゼミ(福祉学)
  ④片岡 直樹ゼミ(環境法)
  ⑤木本 洋子ゼミ(民事法)★初参加
  ⑥桜井 健夫ゼミ(民事法・金融法)
  ⑦中村 悠人ゼミ(刑事法)
  ⑧西下 彰俊ゼミ(福祉学)★初参加
  ⑨羽貝 正美ゼミ(行政学)
  ⑩橋爪 幸代ゼミ(福祉法)
  ⑪藤原 修 ゼミ(政治学)★初参加

このブログを読んでる2,3年生で、「あれ?うちのゼミ参加しないの?」と思った人がいたら、是非先生に「参加したい!」と言ってください。消費者、民法のゼミも、もうちょっと参加してほしいですね。

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就職活動体験談報告ですが、今年もバランスよくいろいろな業界に内定した学生に来てもらう予定です。報告を行ってもらった学生には、懇親会にも参加してもらいますので、聞きたいことがあればここでゆっくり聞くことができます。
3年生は来年から始まる「新採用スケジュール」も気になるところだと思うので、キャリアセンタ―の人にも来てもらえたらなぁと思っています。

<参考> 昨年の内定者報告会の報告者
公務員(地方上級)、公務員(警視庁)、公務員(消防)、金融(銀行)、サービス(ホテル)、小売(自動車)

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◆懇親会は昨年と同じぐらいのボリュームの料理を注文します。昨年は結構余りましたね。たくさん食べてください。
 また、昨年は大学ではソフトドリンクのみを提供しました。ビールは教員のカンパによって運ばれてきました。今年も大学ではソフトドリンクのみを注文する予定!要望があればゼミの先生にお願いしておいてください。

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ということで、今年も「オール現法」で楽しみましょう。12/17を手帳に書くのをお忘れなく!

【過去のブログへ】2013「ゼミ研究報告会」詳細決定
【過去のブログへ】「ゼミ研究報告会」写真館【その①発表編】
【過去のブログへ】「ゼミ研究報告会」写真館【その②懇親会編】

ではまた次回!

2014年7月17日木曜日

「高齢期の福祉向上をめざして」第2回
~福祉、西下彰俊先生にインタビュー~

西下 彰俊先生
<スウェーデン、エステルシュンドコミューンでの調査>

皆さんこんにちは。毎日暑いですね。

今週で、水・木・土曜の授業が終了します。来週月・火曜の授業が終了すると、723日からいよいよ定期試験が始まります。

以前のブログで取り上げましたが、来週の721日(月・祝日)は祝日授業日ですので忘れないようにしてくださいね。
 

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これも以前のブログで取り上げましたが、夏休み中に震災ボランティア2回開催されます。

【過去のブログへ】今年もやってます!「模擬法廷」で裁判を体験~授業「裁判傍聴演習」~
 
2014.5 第1回ボランティア
木本ゼミの大出君
昨日から申込が始まりましたが、既に両日とも満員になりました。20名ほどお断りをしている状況です。「僕応募しましたよ」なんて昨日声をかけられました。みんなで頑張りましょうね。

宿泊する「二又復興交流センター」
旧小学校の建物に泊まります。
現代法学部の学生さんからも15名の申し込みがありました。ここでちょっと注意を。第2回目のボランティアの時なのですが、現代法学部生のキャンセルが目立ちました。「何か現代法学部で急なイベントがあるのか」と問い合わせがありました。行かれない学生もいるのですから、今後はこのようなことがないようにしてくださいね。



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さて、今日は、予告通り西下彰俊先生のご登場です。

 西下 彰俊先生の本 

前回は、西下先生の専門である「福祉」について、「福祉大国」といわれているスウェーデンと、日本のお隣、韓国の事情をそれぞれ伺いました。今日は、その続きから、「福祉と法」についてお話しいただけることになっていますので、インタビューしてきました。
前回の記事はこちら↓
ではどうぞ。
 
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現法さん:ご無沙汰しています。

西下:はい、ご無沙汰しています。自分のブログにも書きましたが、41名の受講生(1年生から3年生まで)の履歴書を添削していたので、遅くなりました。その上持病が悪化して、<頸椎性神経根症>にかかり、右肩から右腕にかけて痺れていまして、病院通いの状態です。

現法さん:体調のお悪い中すみません。前回は前置きが長過ぎましたので、早速本論をお願いして宜しいでしょか。

西下:あのー、本論に入る前に、<スウェーデンと日本の税負担>ということで少しお話させていただきたいのですが。

現法さん:そうですか、お願いします。

西下:実は、小生、国民負担率という指標に問題があると思っていて、この指標の内容がおかしいと思っています。この国民負担率は、租税負担と社会保障負担を合計したものを国民所得で割るという指標です。租税負担には、国税や地方税に加えて法人税や間接税としての消費税もこの指標に入っています、社会保障負担には、年金保険や医療保険に加えて社会保険の事業主負担が入ります。

現法さん:具体的には、国民負担率の何が問題なのでしょうか。

西下:この話は、福祉論の授業でも最初に話題にするのですが、福祉の個々のサービスの話ではないので、皆さんキョトンとしています。国民負担率の何が問題かと言えば、個人ベースの税金額も企業という組織ベースの税金も一緒くたに合計されて計算される点です。

直間比率という言葉がありますが、これをもじって言えば、<個人税・法人税比率>が全く考慮されていないことです。この指標は国際比較に使われるのですが、この個人税・法人税比率という重要な情報が捨象され、総額を比較しても、その比較からは何も生まれないということです。よく言われる議論としては、国の借金を全く考慮していない点も批判がありますが、このことを含めて、国民負担率という指標には問題点が多過ぎることが指摘できます。

    私としては、個人税・法人税比率こそ、それぞれの社会の特徴を表す最も重要な指標であり、この比率を捨象している国民負担率は、指標としての有効性をもともと持っていないと考えています。

     
現法さん:だんだん、難しい議論になってきましたね。

西下:そうですね。では、もう少し分かりやすい別の議論として<高福祉・高負担>について、スウェーデンと日本を比較しながら考えてみたいと思います。言い換えれば、スウェーデンは果たして高負担の国なのかを考えてみたいと思います。

個人の税負担で言えば、スウェーデンにも日本にも国に支払う所得税があります。日本は、所得の多寡によって課税率が分かれており、5%、10%、20%、23%、33%、40%と6段階あります。年収195万円以下の低所得層も、5%の所得税を国に納めているわけですね。

西下:ところが、驚くことに、スウェーデンでは、所得のある人の、実に85%が国には所得税を納めておりません。ロハです。ロバではありません。。。

現法さん:では、残りの15%はどういう方ですか。

西下:はい、これも授業で教えていますが、高額所得者ので、年収ベースで大体650万円を超えると(本当はスウェーデンクローナで表記すべきですが、分かりやすく日本円に換算しました)、超えた分に20%が課税され、年収900万を超えると超えた分にさらに5%課税されます。ほんの一部の15%の高額所得者だけが、国に20%ないし25%の所得税を納めるだけなのです。

現法さん:へー、驚きました。

西下:国に支払う所得税だけ見ると、スウェーデンの方が極めて低負担です。スウェーデンを含め北欧は高負担だと、<刷り込まれている>ため、誤解が生じています。国民負担率というものさしの危うさ、スウェーデンが高負担の国であるというイメージの危うさを指摘してきました。

以上、2つの事柄について、「今ある概念やイメージを疑う」ことの大切さを強調してきました。今ある常識を疑い社会を観るのが社会学の特徴ですが、これは、社会学の立場から、高齢者ケアを分析する際の私の立場でもあります。 

現法さん:へー、社会学はそういう特徴があるのですね。

西下:ここで、直ちに付け加えなければならないことがあります。スウェーデンでも日本でも地方自治体に治める税金があります。これは、スウェーデンの方が高負担でして全国平均で32(基礎自治体として比率に差があり)です。日本は、全国一律10です。スウェーデンは日本の3倍以上です。2種類の税金を比較しただけで、スウェーデンと日本は、こんなに違うんですね。消費税については、スウェーデンが25(ただしデンマークと異なり、軽減税率あり)、日本は8と大きな開きがあります。
   時間があったら調べてみたいと思っているのですが(時間がないので多分調べないのですが)、家計分析が必要ですね。スウェーデンと日本の標準的な世帯を数ケース選び、国に支払う所得税負担額、地方自治体に支払う所得税額、消費税負担額、社会保険料負担額などを具体的に家計レベルで比較すると、面白い研究になると思います。 
    あ、もう授業の時間が迫ってきましたので、もうこれで。続きというか本論の話は、次回に延期ということで。また、来てください。

現法さん:は、はい。<あれ???また本題に行かないの???>
 
 
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西下 彰俊先生ありがとうございました。体調お大事にしてください!
 
みなさんいかがでしたか?
西下先生は「社会調査」もご専門です。先生は忙しくて手が回らないようですので、是非誰か西下ゼミで「スウェーデンと日本の家計分析」研究をしてみてはいかがでしょうか。

いつも面白い話題を提供している西下彰俊先生のブログ大学教授キョトンCのスウェーデン・ラーゴム便り!!も是非読んでみてください、西下先生の人柄がよくわかります。

何と今回は「集団的自衛権」について西下先生がキョトンと怒っている記事を書いています。さすが現法の先生!
【西下先生ブログへ】危険切迫だけで、集団的自衛権行使可能???

 
しかし、また今回も「本題」には入れませんでした。来月のお楽しみですね!
 
ではまた次回!

2014年7月11日金曜日

続けているとどうにかなるものだ 
~20000ビュー達成!ありがとうございます~


先週、第3研究センターで長島誠一先生(元経済学部
教授)が育てている「月下美人」が13個も咲きました。
 
「おめでとう~」

今週の月曜日、こう言いながら島田先生がやってきました。

気がつくと、ブログもいつの間にか20000ビュー達成!ご愛読いただきありがとうございます。
 
ちなみに、20000ビュー目は島田先生が踏んだそうです。日曜日の夕方4時ぐらいだったそうです。10000ビュー達成の記事が5月8日ですので、ちょうど2カ月で10000ビューも増えたことになります。この間、12本の記事を書きましたので、記事1本あたり800人が見てくれていることになります。すごい!

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★実は、今回たった12本で10000ビューを達成した功労記事があります。それはこちら。
 
 ◆週末をつかって、ちょっと学習。 『集団的自衛権』について学ぼうその1 ~政治学 藤原先生に聞く~

 ◆週末をつかって、ちょっと学習。 『集団的自衛権』について学ぼうその2 ~憲法 加藤先生に聞く~

この記事だけで、な、なんと4500ビューの閲覧がありました。たくさんの国からアクセスがあり、掲載直後は日本からのアクセスより、お隣の国々からのアクセスが多かったです。どれだけ近隣諸国の方が関心を寄せているかが分かります。日本の政治のことですから、私たちも負けないよう、しっかりニュースにキャッチアップしていく必要があります。

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「輝く現代法学部生シリーズ」も人気がありました。

「2年生からサークルも頑張る!」 輝く現代法学部生!~第2回~森田くん

「みんなで立ち向かえばいいんだ」 輝く現代法学部生! 第3回~下山くん~

昨日下山くんが
「台風で、裁判傍聴演習が延期になると、来週の金曜は既に村先生の補講が入っているので、重なって困る現法生が多いと思いますよー」
と教えに来てくれたときに、後ろをスーッと森田くんが横切って行きました。森田くんも元気そうで何よりです。

30000回までに、また2,3人に登場してもらいたいと思っています。連絡した際は是非協力してくださいね。

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★7月中に再度登場を予告してくださっている西下彰俊先生も乞ご期待ください!

「高齢期の福祉向上をめざして」 ~福祉、西下彰俊先生にインタビュー~

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このブログを始めたきっかけは、「新カリキュラムを宣伝する!」ということでしたが、今のところあまり出来ていません。そろそろ始めないといけないですね。

「受験生も在学生も卒業生も、東経大現代法学部に興味のある人が読んで楽しい記事!」
というコンセプトに適っているかちょいと不安もありますが、これからもよろしくお願いいたします。
 
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今日で1期の金曜授業は終わりです。台風で休講になるのではないかと危惧していましたが、無事に授業を行うことができて良かったです。
 
実は今日の1限だけでも臨時試験が10科目、約1500名の学生が受けることになっていたので、休講になると、とても困ったのです。

もわっと暑くてバテそうなお天気ですが、体調を崩さないようにしてくださいね。



最後に・・・
今年の裁判傍聴演習の裁判長は池永君でした。池永君ごめんなさい~



 
ではまた次回!

 
<内輪ネタ番外編は「もっと読む」をクリック>

2014年7月4日金曜日

今年もやってます!「模擬法廷」で裁判を体験~授業「裁判傍聴演習」~

2014.7.4 授業「裁判傍聴演習」


皆さんこんにちは。

6月も終わり、なんと、2014年の半分が終了しました。
2014年上半期はどうでしたか?「何もしなかった!」なんて人もいるのでは。

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「何もしなかった」という1,2年生のみなさんにちょっと宣伝。

今年の夏に、「1DAY インターンシップ(企業見学会)」を開催します。現法さんは担当ではないのでちょっとよくわかりませんが、学務課とキャリアセンターで企画しているようです。説明会が7月7日(月)昼休み@F309で開催されますので、これから就職について考えていく「とりかかり」として参加してみてはいかがでしょうか。詳細は、TKUポータルの6月29日「お知らせ」で確認してください。

「何もしなかった」という全学年のみなさんにちょっと宣伝。

まだポータルで案内が出ていませんが、夏休み中に2回「震災ボランティア」が行われます。既に今年度2回行われましたので、3回目、4回目です。

【東経大ホームページへ】東日本大震災被災地へのボランティア取り組み

今のところ、8月27日(水)~29日(金)、9月10日(水)~12日(金)の予定です。会議で承認され次第、TKUポータルに掲出しますので、「被災地復興に少しでも役に立てたら」と思う人はぜひ参加してみてください。現法さんは何度も参加していますが、被災地はまだまだ人手を必要としていると感じます。今回もどちらかの日程に参加する予定です。一緒に活動しましょう。

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さて、今日の話題は「模擬裁判」です。

卒業生の方でブログを読んでくださっている人は「懐かしい~」と思うのでは。
模擬法廷を行う「裁判傍聴演習」は開設当初からある科目です。2年生の1期に履修します。

「裁判傍聴演習」は、3人の先生と、宮本先生(元現法教員、弁護士)で担当しています。
今年度の担当は加藤一彦先生、村千鶴子先生、中村悠人先生です。

4月は、加藤先生が裁判制度全体について講義を行います。5月・6月前半に、村先生が民事裁判について、中村先生が刑事裁判について講義を行い、6月末~7月上旬に「模擬裁判」が行われます。

模擬裁判は「キャスト」と呼ばれる学生がステージ上の裁判傍聴セットを使って行います。聴講している学生は「裁判体」と呼ばれるグループを作り議論を行います。


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今年のキャストのみなさんを紹介します。知った顔が多くてビックリ。
事件は、恒例の「ベガス」事件です。


検察側

裁判官 裁判長は今年は橋本君でした。

裁判員

弁護側

被告役

最終陳述が終わると、中村先生から各自で判決を考えるよう指示がありました。


六法を開きながら自分で考えます。

その後、中村先生から、情状酌量や執行猶予に解説が行われました。「これは1年生の刑事法基礎でもやりましたが」とおっしゃっていましたが、実際に裁判を行いながら考えることで、より分かりやすくなったと思います。



つづいて、各裁判体でそれぞれ判決を出すように指示がありました。




 


ここでなんとカメラの充電切れ。残念。

以上、授業リポートでした。
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模擬法廷を使っての授業は今日で終わりましたが、履修生のみなさんには、これから「本番」が待っています。
 
ジャーン

 もう生協で購入しましたか?今年は黄緑色です。
 
夏休み中に、実際に裁判所へ行き裁判を傍聴し、それを「記録帳」にまとめます。授業で学習したことが役に立つ瞬間です。
 
 
びっしり埋めてくださいね。
書き出しは字下げすることを忘れずに。

これを10月初旬に提出して授業が終わります。あとは成績発表を待つのみ。
 「裁判傍聴演習」は第1期の授業ですが、成績発表は第2期になります。

記録帳の返却を希望する人は、裏面に切手を張って、住所氏名を記入しておいてください。

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今回は授業の紹介でした。いかがでしたか?

実はこの科目、新カリキュラムでは廃止する予定でした。先生方の労力が大変だということや、各教員がそれぞれ裁判に連れて行けばよいという意見が出たためです。
しかし議論を深めていく中で
「やっぱりこの科目は現法ならではの科目で重要だ」
ということになり、継続が決定しました。

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7月は試験がありますが、体調を崩さないようにしてくださいね。この1カ月を乗り切れば、楽しい夏休みが始まりますよ。

ではまた次回!