2014年5月30日金曜日

「みんなで立ち向かえばいいんだ」 輝く現代法学部生! 第3回~下山くん~

左が下山くん、右が高橋くん
 
「最近僕変なんです・・・」
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突然面白い告白をしてくれた、彼の名前は下山君。

現代法学部2年生で藤原ゼミに所属しています。今年から「法プロフェッショナルプログラム」に所属しました。

今年の「法プロ」2年生はすごいんです!既に「勉強会」を始めています。
オンとオフの切り替えをきちんとすれば勉強も遊びもどちらも楽しめる、とのこと。

旅行が好きで、つい最近も近畿地方を一人で回って来ました、今は夏の旅行を計画中。
横浜育ちで、横浜のことならなんでもござれ!の下山君に聞いてみました。
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下山くん :気づくと勉強しているんです。バイトの休憩時間も「予習でもするか」と思いますし、授業と授業の間の空き時間があると、「図書館にでも行って勉強するか」と思うんです。いつの間にか予習復習の習慣がつきました。予習復習しないで授業に出ても、ただ「いるだけ」になってしまうので、しっかり授業をモノにできるようにしています。
 


現法さん :勉強が好きなんてすごいですね。いつからですか?

 
下山くん :験勉強を始めてからです。高校時代はただ遊んでいました。いざ志望校を決めるぞという時に、担任の先生から「お前本当に行くとこないぞ」と真顔で言われて、「これはまずい」とやっと気付き、あわてて勉強を始めました。

現法さん :大学進学を意識したのが人より遅かったんですね。
 
下山くん :そうなんです。慌てて塾に入りましたが、皆が進んでいるところまで追い付くのに苦労しました。しかし勉強をしているうちに「これは面白いぞ」と思い始め、今に続いています。大学に入ったら更にそれに拍車がかかりました。
 
現法さん :2年生になって、法学の専門授業が始まりました。一番面白いと思う授業は何ですか?
 
下山くん :刑法が面白いですよ。あ、あと民法・・・「民法(契約法)」も、民法(不法行為法)」も、民法科目全部法プロ独自の科目(「法チュートリアル」「リーガルリーディング」「ケーススタディ」)も面白いです。あの科目、みんなで意見を自由に言い合えるのがいいですね。藤原先生のゼミに入っているので、国際系の科目も面白いです。それと・・・・・(話は続く)
 
現法さん :全部の授業が面白いんですね。
ところで、法プロの2年生はどうして「勉強会」を始めたのですか?




下山くん :法チュートリアル初回の授業で、チューターの村本武志先生要求水準が高くてびっくりしました。「これは一人では立ち向かえない」と思っていたところ、他のメンバーも同じ気持ちで、自然と「みんなで一緒に学ぼう」という気持ちになりました。池永君が、「新図書館の学習室が使えるぞ」ということを提案し、毎週1回集まって学習会を行っています。
 
現法さん :村本武志先生は知っているんですか?
 
下山くん :知らないです。言わないでくださいね、なんか悔しいじゃないですか
        (注:直接先生に言わないならブログには書いていいと了解をもらいました)
 
現法さん :みんなで学び始めてどうでしたか?
 
下山くん :一人で立ち向かえないことも、みんなで考えればいろんな意見も出るし、違った見方もでき、参考になることが多いです。自分以外の同じ目標を持って頑張っている人が近くにいることは、刺激にもなります。1年生の時に「法学検定ベーシック」の受験をした時も、友人の家に泊まりこんで、みんなで勉強しました。今は法律の知識があまりないので、この方法がベストだと思います。もっと勉強して、いろいろなことを学んだあとで一人立ちします。

 
下山くん
村本先生

 

 現法さん :噂を聞いて読むかもしれない
村本先生に一言
 
下山くん :もっと難しい問題を出されても
負けません!
どんどん出してください!

 
 

 

現法さん :勉強の息抜きはしているんですか?
 
下山くん :横浜のランドマークが家から近いので、よく行きます。あ、最近も行きましたよ、ここのジェノベーゼパスタがおすすめです。(といって、レシートを見せてくれました)。元町中華街で食べ歩いたり、ショッピングもします。オンとオフの切り替えが重要だなと思います。大学に入って旅行にも目覚めました。夏休みは広島か沖縄に行こうかと考えています。

現法さん :今後の抱負をお願いします。
下山くん :資格試験に向けてどんどん法律の知識を深めていきたいと思います。

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なるほど、時間をうまく使って、有意義な学生生活を送っているんですね。

下山くんありがとうございました。
 
村本先生への挑戦を語った後、「しまった、法プロのメンバーに怒られるかも」と言っていたのがちょっとおもしろかったです。
 
「もっと意見出して!」
「数出せば当たるかもしれないから!」
活発な意見交換がされていました。
「20才になったので、球場でビールを飲んでみたい」といっていましたが、法プロの学生さんが全員20才になったらぜひみんなで実現しましょう!

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1年生のみなさん、「法プロフェッショナルプログラム」に所属するには、「法学検定ベーシック」に合格している必要がありますCSC講座を受講するなら、申込は、月30日までです、まだ申し込んでいない人は急いで申し込んでください!

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ではまた次回!


2014年5月23日金曜日

週末をつかって、ちょっと学習。
『集団的自衛権』について学ぼうその1 ~政治学 藤原先生に聞く~


「国際関係論a」 藤原 修先生
 
みなさんこんにちは。

今日は文章が長いので、前置きなしでいきます。

『「集団的自衛権」について先生に解説してもらいたい』

と言う意見を何人かからもらいました。さすが現法生。今回は政治学の藤原 修先生に、下の3つについて質問してみました。

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Q1:集団的自衛権の誕生の経緯と定義を教えてください。

Q2:これまでの集団的自衛権に基づく武力行使の実例を教えてください。   

Q3:日本が集団的自衛権を行使した場合、どんな結果が待ち受けるのでしょうか。
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 現法さんは、一足先に先生の解説を読みました。Q1、Q2は、ちょっと難しいので、挫折しそうな人は、Q3から読むといいと思います。

 Q1、Q2は、原本をリンクしておきますので、それを印刷する⇒マーカーを引いたり、自分でノートにまとめてみる。をすると、「なるほど~」と思うと思います。週末を使って是非読み説いてください!

藤原先生からの回答(pdfファイル)へ

現法さんもノートにまとめて考えてみました。
ではどうぞ↓↓↓



Q1:集団的自衛権の誕生の経緯と定義を教えてください。                
 
 集団的自衛権という言葉は、国連憲章第51条の自衛権規定の中にあります。国連憲章は、加盟国の安全を集団的に守ることを大原則としています。これを一般に集団安全保障といいます。これは、国際連盟・国際連合が発足する前にひろく行われていた伝統的な攻守同盟(軍事同盟=特定の仮想敵国を念頭に、攻撃や防御を2国以上で共同して行うもの)に対立する安全保障体制で、両者は「集団」という点では同じですが、軍事同盟がいくつかの特定の国家集団で行われるのに対して、国連などの集団安全保障は、国際社会全体による普遍的な安全保障体制である点が異なります。集団安全保障に対して、個別国家による防衛や軍事同盟による安全保障体制を、個別的安全保障といいます。集団的自衛権は、もともとは軍事同盟を基礎づけるもので、個別的安全保障体制の枠内にあるものです。国連憲章は、原則として、個別的安全保障に対して集団安全保障をより望ましいものとして採用しています。その背景には、各国の安全を個別的安全保障体制にゆだねた結果、第1次世界大戦および第2次世界大戦という2つの大戦争を起こしてしまったという反省があります。
 
 しかし、国連の集団安全保障は、国連安全保障理事会の決議がなければ機能しません。そして国連安保理の決議には5常任理事国(米英仏ロ中)の拒否権が認められていて、この5カ国の1カ国でも反対すれば不成立となります。第2次世界大戦後の米ソ冷戦の時代には、集団安全保障に関してこの両超大国の足並みがそろうことがなく、国連の集団安全保障は事実上空文化しました。冷戦後になって、湾岸戦争の時など、集団安全保障実現についての若干有望な兆候がみられるようになりましたが、重大な国際的安全保障問題につき、その後も5常任理事国の足並みがそろうことは難しく、国連の集団安全保障は、今日に至るまで、うまく機能していないのが実情です。
 
 こうした事態、少なくとも、加盟国への武力攻撃に対して直ちには国連による有効な集団的措置がとられない可能性を想定して設けられたのが、国連憲章第51条自衛権規定です。すなわち、本則であるはずの国連の集団安全保障措置がとられるまでの暫定的措置として、加盟国は個別的・集団的自衛権(=個別的安全保障)を行使することができるということを、この条項は規定しています。こうして、国連憲章上、本則であるはずの集団安全保障が機能しないことから、国連発足から今日に至るまで、国連憲章第51条で本来暫定的措置として認められているはずの個別的安全保障体制(各国別の防衛および集団防衛体制)が、世界的にむしろ「本則」となっているわけです。
 
Q2:これまでの集団的自衛権に基づく武力行使の実例を教えてください。           
 
 20世紀前半までの、軍事同盟がひろく行われ発動されたていた時代に比べ、第2次世界大戦後の世界においては、一見軍事同盟と同じように見える、集団的自衛権にもとづく集団的自衛の例は、実は、あまりありません。20世紀前半までの世界では、大国とは戦争を遂行する能力のある国であり、現実に大国間で戦争が行われており、これを想定して大国間に同盟関係が結ばれました。1902年に結ばれた日英同盟はその典型的なものです。これに対して、第2次世界大戦後は、米ソという超大国が世界でぬきんでた軍事力を持ち、それぞれが「ブロック」と呼ばれる陣営を組織化します。このブロックは軍事同盟の性格を持ちますが、アメリカと、アメリカ陣営のその他の国々とは大きな力の格差があり、かつそうした同盟の発動による戦争は、大規模な核戦争という破滅的な結果をもたらす危険性が高く、このブロック=同盟は、戦争を効果的に行う手段というよりも、むしろ戦争をしないための手段という性格を持つようになります。さらに、このブロックは、政治経済体制において基本的価値観を共有することを基盤にしており、かつての軍事同盟のように、その時々の国益の必要に応じて、組んだり解消したりする便宜的な同盟とは性格が異なります。すなわち、第2次世界大戦後の集団自衛体制は、仮想敵をもつ軍事同盟という点では、国連の想定する普遍的集団安全保障体制とは異なるものですが、単なる軍事同盟とも言い難く、永続性を持つ安全保障共同体としての性格を持っています。この点において、個別国家を集団で守るという国連の集団安全保障に近いものがあるのです。そこが、現代の集団防衛体制の理解と評価を難しくしています。国連による集団安全保障がもはや現実的な選択肢にならない中で、軍事同盟の形態をとる集団防衛体制が、集団安全保障に類似した機能を果たすようになってきているのです。
 
 主に米欧諸国を加盟国とする北大西洋条約機構(NATO)は、第2次世界大戦後の典型的な集団防衛体制で、もともとソ連を仮想敵としてつくられたものですが、ソ連が存在していた冷戦時代には一度も軍事行動を起こしたことはありません。逆にソ連が消滅した冷戦後になって、たとえば、2001年の米同時多発テロ事件に端を発したアメリカのアフガニスタンに対する「自衛戦争」(この戦争がはたして「自衛」と言えるかどうかについては異論がある)において、NATOは集団的自衛権を発動しています。しかし、これは、北大西洋諸国という本来NATOで想定された条約適用地域での軍事行動ではなく、むしろアメリカの主導するグローバルな対テロ戦争への参加という性格を強く帯びています。他方で、この頃からアメリカは、条約上の集団防衛体制よりも、「有志連合」とよばれる、問題事案ごとにアドホックに軍事的に協力し合う関係を重視するようになりました。こうして現代の集団防衛体制は、アメリカやその同盟国の利害を強く反映するという意味で、国際社会全体の総意を体しているとはいえませんが、なお、特定国・地域の利害をこえる国際秩序全体の維持という、普遍的集団安全保障に準じるような大義名分を掲げるようになってきています。
 
Q3:日本が集団的自衛権を行使した場合、どんな結果が待ち受けるのでしょうか。
 
 さて、では日本と集団的自衛権との関わりですが、これはさらにわかりにくい構造になっています。冷戦期にアメリカが全世界で築いた集団防衛体制の1つに、現行の日米安全保障条約があります。したがって日本もまた、紛れもなく集団防衛体制の中に組み込まれています。ところが、アメリカ中心の集団防衛体制は、NATOにせよ米韓同盟にせよ、一般に相互防衛条約の形をとっており、加盟国がすべて集団的自衛権を行使できることになっています。ところが、日米安保条約では、アメリカは日本防衛のために集団的自衛権を行使することが想定されていますが、日本側は、集団防衛体制に一般に見られるような意味では、アメリカ防衛のための集団的自衛権の行使が想定されていません。ここで注意してほしいのは、「集団防衛体制に一般に見られるような意味では」という留保です。日本では、日本国憲法第9条の関わりで、日本は集団的自衛権を保持しているが行使できないとのこれまでの政府解釈があって、およそ日本の集団的自衛権の行使は全く想定されてないかのように言われていますが、日米安保条約の条文趣旨からは、必ずしもそうとは言えないのです。
 
 日本国憲法第9条のこれまでの政府解釈および日米安保条約の条文規定からは、例えばアメリカ領のグァムが攻撃を受けたとき、自衛隊が集団的自衛権に基づいてアメリカとともに反撃する、というようなことはできません。「集団防衛体制に一般に見られるような意味では」というのは、そのような場合における集団的自衛権です。この意味で日米安保体制は、アメリカが関与している他の集団防衛体制とは異なります。そのことをとらえて、日米安保体制は、アメリカが日本を一方的に守る形になっており、「片務的」だとよく言われます。安倍首相をはじめ、日本の集団的自衛権行使を熱心に主張する人は、それによって日米安保体制をより「双務的」なものにすることができると言います。一方的に守られているだけで、いざというときに相手を助けることができないのでは、真の同盟関係は成り立たないというわけです。
 
 しかし、現行の日米安保条約はすでに50年以上存続していますが、そのようにアメリカが一方的に義務を負い、日本に恩恵を与えるだけの集団防衛体制が、これほど長期にわたって続くわけはありません。そこには独特の「双務性」があります。日米安保条約第5条は、「日本の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め・・・共通の危険に対処するように行動する」と規定しています。この条文の「日本の施政の下にある領域における」という規定によって、グァムのようなアメリカ領に対する日本の防衛支援は条約上想定外となります。ところが、「いずれか一方に対する武力攻撃」という文言は、「日本またはアメリカが攻撃を受けた場合」という意味で、このとき日本はアメリカのために「行動する(反撃する)」のですから、この条文は集団的自衛の趣旨を表現していることになります。しかし、この場合の「アメリカ」は、「日本の施政下にある領域におけるアメリカ」です。これは、具体的には、日本にある米軍あるいは米軍基地を意味します。同条約第6条によって、アメリカは日本に陸海空軍の基地を置くことができるようになっており、実際に沖縄をはじめ日本には米軍の巨大な専用基地がいくつも存在します。米軍基地は「日本の中の異国」とも言うべき存在で、一種の治外法権区域であり、日本の警察権などは及びません。そして、在日米軍基地は、湾岸戦争やイラク戦争を含め、アメリカの世界戦略の重要な拠点として利用されています。この日本の中の「アメリカ」に対する防衛義務を、日本は日米安保条約第5条で負っているのです。そういう意味でこの条約は、アメリカにとって十分に「双務的」なのです。またそのような「日本の施政下にある領域」という条件付きで、日本は「集団的自衛権」にコミットしているとも言えるのです。
 
ただし、「日本の施政下にある領域」におけるアメリカ防衛は、当然ながら日本の領土防衛そのものですから、厳密な法的意味での集団的自衛権行使には当たりません。したがって、日本の集団的自衛権行使は不可という日本国憲法第9条解釈とも法的には矛盾しません。しかし、政治的・軍事的意味においては、日米安保体制には集団的自衛権の要素が日米双方に認められるのです。これは、海外での武力行使を禁じる日本国憲法と、本質的に加盟国すべての集団的自衛権に基づいて成立する集団防衛体制を、日本・東アジアの政治的・歴史的現実に即して両立させる、一種の「トリック」とも言えます。
 
 ではなぜ、日本の集団防衛体制には、そのような「トリック」が仕掛けられるようになったのでしょうか。戦後、ソ連を中心とする社会主義陣営との対立の中で、アメリカは世界各地に集団防衛体制を築き、ソ連などを「封じ込め」ようとしました。東アジアでは、中国も共産化し、1950年には共産主義者の支配する北朝鮮が南の韓国に侵攻し朝鮮戦争が始まります。この頃日本はまだ占領下にあり、非武装の状態に置かれていました。アメリカは、日本を東アジアにおける社会主義陣営に対する防波堤とみなし、アメリカの集団防衛体制に組み込もうとします。しかし、通常の集団防衛体制の場合、相互防衛の方式をとりますから、日本を再軍備させる必要があります。しかし、まだ第2次世界大戦が終わって間もない頃であり、日本軍のかつての侵略の苦々しい記憶を持つオーストラリアやフィリピンなどから、日本の再軍備を警戒する声が上がります。これらの国は、アメリカにとり重要な同盟国・友好国ですから、アメリカも無視できません。また、日本自体、終戦以来の経済的困難からまだ抜け出しておらず、再軍備を行う財政的余裕はありませんでした。そしてなにより、平和憲法を手にした国民には、もう戦争はこりごりという気持ちが強くありました。こうした中で、独立後の日本の安全は主に米軍が担い、日本自身は平和憲法の枠内で徐々に自衛力を整備していくということになります。こうして、平和憲法・日米安保・自衛隊という、今日まで続く日本の安全保障体制が形成されたのです。
 
 現在、安倍首相が集団的自衛権行使に向けて憲法解釈の変更を熱心に推し進めようとしています。その理由は、簡単に言えば、一方で、北朝鮮の核実験やミサイル発射、中国の尖閣諸島領海侵犯など、日本周辺の安全保障環境が悪化しており、日米同盟の一層の強化が必要であるが、アメリカの国際的な力は低下しており、日本側の防衛態勢の強化が望まれる。そのための重要な方策として、集団的自衛権の行使を可能にして、海外での武力行使に道を開くべきである、というものです。
 
 こうした主張に対して適切な判断を行うためには、なぜ、日本がこれまで、通常の集団防衛体制とは異なる、日本自身の武力行使に関して特別に強い制約を課してきたのか、その理由を考えてみる必要があります。理由は大きく2つあります。1つは、日本のかつての大規模侵略戦争および長年わたる植民地支配によって、近隣のアジア諸国を中心に、日本の再軍備や海外での武力行使に対して、国際的に強い不信と不安の念がもたれていたということです。もう1つは、広島・長崎の被爆体験に代表される日本国民の戦争体験から、戦争は非合理であり罪であるという、強い反戦感情が国民の間で共有されてきたからです。
 
 前者の日本の戦争・植民地支配責任に関しては、日本がこれらについて誠実に反省をし、戦後の平和的な歩みの中で周辺諸国の信頼をかちえており、日本が海外で再び戦争をするようになっても、それなりに正当な理由があればかまわない、という国際世論が形成されているのであれば、特に問題はないかもしれません。しかし実際には、第2次安倍政権の発足以来、かつてないほどに日韓、日中の関係は冷え込んでおり、その主たる理由は、従軍慰安婦問題や安倍首相の靖国参拝問題に見られるように、過去の日本の戦争・植民地支配を日本はどう認識しているのかが重大な外交問題になっていることにあります。戦後69年たってもなお、日本は周辺諸国の信頼を得るにはほど遠い状況にあるのが現実です。特に、韓国は、アメリカにとり日本と並んで東アジアで最も重要な同盟国であり、日本が集団的自衛権を行使するに当たって、アメリカとともに重要な協力相手となる国ですが、日韓関係改善の目処が立たないまま、集団的自衛権行使容認を急ごうとする安倍首相の政治姿勢は、対外政策上の整合性を欠いていると言わざるをえません。
 
 もう1つ、日本の自制的防衛体制を支えてきた国民の反戦感情ですが、これは変化してきているのかもしれません。若い世代を中心に、女性も含めて、国際的脅威に対する安全保障上の備え、軍備の強化を求める声は強まっているようです。しかし、なお9条戦争放棄へのこだわりを持つ人々も少なくないように見えます。集団的自衛権行使容認につき、安倍首相は、平和のため、国民を守るため、戦争を避けるためと主張していますが、集団的自衛権の行使によって、これまで憲法によって封印してきた海外での武力行使は解禁となり、日本が戦争に参加する機会は確実に増えます。しかし、戦後長い間、日本国民の多くは、そのように戦争に備え、必要があれば戦争を行うことで「国民を守る」という考え方に懐疑的でした。なぜなら、かつて日本が経験した戦争では、直接戦場となった周辺諸国の人々に多くの苦しみを与えただけでなく、銃後(本来の戦場から遠く離れた場所)にあった日本国民自身―安倍首相が集団的自衛権行使で守られると強調する「お母さん、おじいさん、おばあさん、子どもたち」も、広島・長崎の経験が明白に示すように、全く守られることはなかったからです。日本の安保政策の大きな転換につき、あやまりのない判断を下すためにも、日本の戦争の歴史を正確に学んでおくことはとても重要です。
 
 しかしなお、集団的自衛権行使容認ということになった場合、どうなるのでしょう。これは海外での武力行使に道を開くものですから、そのための法整備、教育・訓練・装備が手当てされ、海外で実際に戦争を遂行できる能力を身につけるための施策が着実に進められていくことでしょう。では、そのようにして日本の戦争能力が向上し、日米同盟が強化されたとして、北朝鮮や中国の脅威は小さくなって、日本国民の安心感は増すでしょうか。
 
敵対する国どうしの一方が、軍事力を強化して他方に対抗しようとするときは、相手方も同じような措置をとって軍拡競争がはじまります。そして、双方ともに安全感はむしろ損なわれていき、最終的には戦争によってしか決着がつかなくなる、というのが国際政治の歴史に繰り返し現れるパターンです。日本の軍事力強化に対しては、中国などはそれをしのぐ軍事態勢の強化に乗り出すことでしょう。軍拡競争の中で軍事優先の政治が行われるようになると、国民の愛国心、国防意識を強化する施策が推し進められ、学校教育だけでなく一般の言論・文化活動でも、そうした方向への統制が強められていくでしょう。秘密保持のための報道統制も当然厳しくなります。これは、軍国日本の「いつか来た道」に連なるものです。
 
 安保論議では、「国民を守る」ということが強調されます。しかし、かごに閉じ込められている鳥を「守られている」とは言いません。鳥は自由に羽ばたき、生存のリスクを負いつつ、生存を確保する術(すべ)を身につけていきます。身を守るとは、どう生きるかということと別ではありません。20世紀に、大津波のような戦争を経験した、そして21世紀も、引き続き同じような経験をしつつある人類にとり、国防、戦争という問題は、人の生き方、国の生き方の根本を問うものです。何のために、どのように生きるのかと。集団的自衛権容認という問題をつきつめていくと、問われているのは、日本の生き方、日本人の生き方そのものである、といえます。
 
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いかがでしたか?
藤原先生はかなり苦労して、文章を短くしてくれました。これでも「はじめの一歩」とのことです。

読んでみて質問がある人、興味を持った人は、直接藤原先生を訪ねてくださいね。

ではまた次回!

2014年5月16日金曜日

「2年生からサークルも頑張る!」 
輝く現代法学部生!~第2回~森田くん

一番手前左が森田くん

みなさんこんにちは。

だいぶ暑くなってきましたね。でもたまに寒い日があったりして、体調を崩している学生さんを多く見かけます。週末はゆっくり休んで、体調を整えましょう。

さて、今日は輝く現法生!シリーズ第2弾です。

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彼の名前は森田君。現代法学部2年生で内布ゼミに所属しています。

1年生の時は「勉強」と「バイト」に専念。「勉強」は法学部科目が面白かったのでしっかり勉強し、その甲斐あって単位はほぼフル単でした。「バイト」はスーパーのバイトを2つ掛け持ちしていました。稼いだお金は主に交通費や教科書代に充てているそうです。「なるべく親に迷惑をかけたくない」とのこと。

この春に、友人と見に行ったアカペラサークルのコンサートに感銘を受け、2年生からアカペラサークルに所属しました。

「池上彰の番組」や、「朝まで生テレビ」が好きで、見られないときは録画してみるほどです。他にサッカーと野球をこよなく愛する、家族思いの今どきの男の子です。

そんな森田君に、学生生活全般について聞いてみました。
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現法さん: 森田君は理系大学の付属高校から、どうして東経大に入ったのですか?

森田くん: 高校を選んだのは、いわゆる「チャレンジ校」に合格したからで、そんなに深い意味はないんです。自分は法学部に行きたいという思いがありました

現法さん: 法学部を目指したきっかけは何ですか?

森田くん: 理由はいくつかありますが、一番は身近な人の存在です。自分の叔母が法律系の仕事に就いていて、それに憧れたことがきっかけです。叔母から仕事内容を聞いているうちに、将来は法律に関わるような仕事に就きたいなと漠然と思い始めました。進学先を決めなければならない高校3年生になったときに「今まで生きてきた中で一番興味を持ったことは何だろう」と改めて考え、法学部という結論に至りました。

現法さん: なるほど。実際入学して勉強を始めてどうですか?

森田くん: 法学部での勉強は「たぶん自分に合っているだろう」という思いがあったのですが、実際に勉強を始めてみて、さらにそう思いました。一年次で一番興味を持って学べたのは「民事法基礎(島田 和夫先生)です。授業を聞いていて、スッと頭に入ってきました。

現法さん: 法学部の科目の予習復習は大変ではなかったですか

森田くん: 面白かったので毎回復習をしました。「憲法基礎(日本国憲法)」の加藤先生が、「毎日六法を開け」と言われたので、実践してみました。朝の電車の中で読んでみたりとか。

現法さん: 2年次で本格的に法学部の授業が始まりましたがどうですか?

森田くん: まだ始まったばかりですが、村本 武志先生民法(契約法)」が面白いです。「契約とは何か」と言うことを学んでいます。シラバスに「暗記するのではなく、使える契約法の習得を目指す」と書いてあり、これから学んでいくのが楽しみです。他に、現代法学部には国際系の科目が多くあり「国際関係論」「国際社会と法」などが面白いです。「国際関係論」で藤原 修先生は「ウクライナ問題」について取り上げ、説明してくださいました。僕はニュースを見ることが大好きなので、先生の話はとても興味深かったです。これからもいろいろと自分の知らないことを学べる、と思うとワクワクします。

現法さん: 法学部が本当に合っているんですね。

森田くん: 実は少し苦手な分野もあるんです、法律の歴史とか。でも、頑張って勉強しようと思います。
内布 光ゼミ ゼミ風景

 現法さん:2年生になって、ゼミは民法系ではなく、会社法の内布先生を選んだんですね。2年生幹事とのことですが、どのようなことをやるんですか?

森田くん: 幹事は2、3年生合わせて4名います。3年生幹事は、ゼミを仕切ったり、ゼミ合宿の企画運営をします。2年生幹事は、2年生をまとめて、3年生が運営しやすいよう手助けをする役割です。

真剣に学ぶ内布ゼミ生


現法さん: 2年生から所属した「アカペラサークル」はどうですか?2年生から所属することって可能なんですね。

森田くん: 大学構内でアカペラサークルの方が「コンサート」のチラシを配っていて、それをもらったことがきっかけです。「面白そうだね」と友人と3人で見に行きました。とても良かったので、是非自分も参加したいと思い、コンサート終了後に「2年生から入ることができますか」と聞いたところ、歓迎するよと言ってもらえたので、友人と一緒に入りました。

現法さん: アカペラはグループで活動するから、途中から参加するのは難しかったのでは?

森田くん: ずっと同じグループで活動するわけではないのです。4月は「スタートバンド」と言って、くじ引きでバンドを組みます。僕のような初心者だけでグループを組んでも上達することができないため、先輩たちが入ってくださり、基本的なことから教えてくれます。夏のライブ後に、また別のメンバーと組むことが出来るようです。

現法さん: 勉強、サークル、アルバイト、充実した学生生活を送っているんですね。後新たな目標はあるんですか?

森田くん: まず勉強面ですが、資格試験に向けて準備をしています。資格取得のために頑張りたいと思います。サークルについては、パーカスが上手くなること

現法さん: 1年生に向けて一言お願いします。

森田くん: 「単位をとること」ですね。誰もが言うと思いますが。遊んでばっかり→お金がない→またバイトする のスパイラルにならないよう、自分でしっかり考えながら過ごしたほうがいいと思います。また、僕は法学がしっくりきたのですが、1年生のうちは総合教育科目をたくさん受講しますし、その中から「これだな」と思える学問と出会うのもそれもまた良いのではないかと思います。

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森田くんありがとうございました。

森田くんは現法さんが内布研究室でお茶を飲んでいるときに、次の時間がゼミとのことで、全員の名札を取りに研究室にきました。「次のブログどう?」と、突然の依頼にもかかわらずきちんと答えてくれてありがとうございます。
今まで、生徒会役員や、学級委員等の仕事を頼まれることが多かったそうです。森田くんの誠実な人柄がみんなから信頼されるのだと思います。自分の夢に向かって頑張ってくださいね!

ではまた次回!


ひとり暮らしの強い味方! 早起きして100円朝食に行こう。

 

茨城県、栃木県出身のひとり暮らしの学生さん
みなさんこんにちは。
 
今日は在学生のみなさんにちょっとお得な情報提供です。
 
東京経済大学には、学生の父母 (学生が卒業した後も引き続き協力してくださるご父母も含む) で構成されている「父母の会」という組織があるのですが、父母の会が今回「100円朝食」を提供しています。
 
―*-*-*-100円朝食詳細-*-*-*-*―
 
と  き:5月12日(月)~30日(金) 8:00~10:00(ラストオーダー9:30)
 
メニュー:①メイン(日替わり)
       ②副菜(2品)
       ③ご飯(大盛り可)
       ④小豚汁
―*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*―
 
 

◆今日のメニューはこんな感じです。




結構豪華ですね。

現法さんが朝大学に来る8:45頃に、父母の会の人が

「限定50名ではあるが、もう既に60食出ている」

と言っていたので、学食に見に行くと、学生さんがおいしそうにご飯を食べていました。

 食べている学生さんに「今日が初めて?」と質問してみたところ、「100円朝食が始まってから、毎日来ています」とのことでした。「ひとり暮らしで家が近いんです。本当に助かります!」とのこと。良かったですね!学生が喜んでくれて、父母の会の企画したみなさんも喜んでいることでしょう。



「今日は1限があるの?」と更に質問したところ、「ないです」との回答。朝からしっかり朝食を食べて、新図書館で予習して、今日も授業を頑張ってくださいね!



100円朝食は30日まで実施しています。是非利用してみてください。

以上ちょっと情報提供でした。



現法っぽいブログは今日の夕方更新予定です。輝く現代法学部生第2弾お楽しみに。

2014年5月8日木曜日

続けているとどうにかなるものだ 
~10000ビュー達成!ありがとうございます~


現代法学部の先生 ①

みなさんこんにちは。

GWも終わり、一週間に一度のブログ更新日。

なんと、いつの間にか10000ビューを達成していました。これもひとえに毎週読んでくださる皆さまののおかげです。ありがとうございます。

今まで27本の記事を書きました。今カウンターが10,388ビューなので、1つの記事あたり380人が見てくれていることになります、すごい!!

===ここで、人気のあった記事を紹介===

第5位 「パタハラ」って何の略?日本はイクメンを増やすことはできるのか

橋爪先生は一番記事を書いてくれた先生です。学生の面倒見もよく、現法の「姉御」的存在でしょうか。また福祉系の記事をお願いしてみようと思います。

第4位 「都知事選」を振り返る~憲法学者に聞く、今回の都知事選~

ご存じ加藤先生が書いてくれた記事です。現代法学部は、

「身近な問題から社会を知る、法律を知る、考える」

ことをコンセプトにした学部です。これからも新聞記事などを通して加藤先生に質問していきたいと思っていますので、みなさんも「こんなことを聞いてみたい!」と言うことがあればメールください。

第3位 「特別授業」が決まりました!~授業の背景とともに少し紹介~

意外に人気だったんですね、この記事。「そろそろ来年度の特別授業を考え始めなきゃなぁ」という時期です。乞ご期待!

第2位 「法プロがあるから頑張れる」~輝く現代法学部生!第1回亀山さん~

あれ?先週アップしたばかりの記事が2位!?亀山さんすごい。

実は第2回、3回と連載を考えています。昨日携帯に着信があった人もいるはず。
「我こそ輝いているぞ!」とか、「あの人も輝いているよ!」という情報があればぜひご一報ください。

今日大学のトップページにアップされていた、少林寺拳法部で活躍している岡山君も現法生ですね。スポーツでも、勉強でも、趣味でも何でも大歓迎です!

 【東経大ホームページへ】少林寺拳法部、第51回関東学生大会で最優秀賞!


第1位 ゼミ研究報告会写真館 【その①・・・発表編】
   ゼミ研究報告会写真館 【その②・・・懇親会編】

不動の1位です、ダントツです。今年も盛り上がるといいですね!
実は、今年の開催日について、去年と同じ「水曜」にやるか、「土曜」にやるかを検討中です。学生のみなさんが集まりやすいのはやっぱり「水曜」ですよね?意見があればゼミの先生までお寄せください。また後日発表します。

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現代法学部の先生 ②
現法の集まりは、席は「くじ引き」なのです。

皆さんはSNS世代だと思いますが、現法さんはブログを書くのは初めてで、とにかく頭を悩ませながら毎週書いています。

現代法学部の先生 ③


「どうしたら読んでもらえるか」「どんな記事を載せたらよいか」試行錯誤しながらブログを始めてもうすぐ半年。実はボツになった原稿も結構あるんですよ。頑張って書いてボツと言うのはちょっと・・・かなり・・・悲しいですが、それでもどうにか続けています。少しは読みやすくなったと言ってもらえるといいなと思います。

「ブログを誰向けに書くか?」これも最初悩みましたが、他大学の方がある雑誌に寄稿した記事を読んでスッキリしました。「エンロールマネジメントだ。」

卒業生は懐かしむことができ、在校生は情報を得ることができ、受験生は「面白そう」とワクワクできる、東京経済大学現代法学部に興味のある人が読んで面白い記事、そんな情報を発信できるように頑張ります。

お世話になった方はたくさんいらっしゃいます。ブログ記事を提供してくれる先生、協力してくれる学生のみなさん、そして、ブログの書き方などを指導してくれた森さん(前広報課長)、開設までお手伝いいただいた神崎さん(情報システム課)、皆さま本当にありがとうございました。

ということで、これからもよろしくお願いいたします。
現代法学部の先生 ④

現代法学部の先生 ⑤

以上、宮﨑先生送別会写真でした。



東京経済大学現代法学部



2014年5月2日金曜日

「法プロがあるから頑張れる!」 
輝く現代法学部生!~第1回~亀山さん

亀山さん(右)と、亀山さんの所属するゼミの島田先生
みなさんこんにちは。
ゴールデンウィークも始まり、「やっと一息」と言うところでしょうか。

1年生のみなさん、大学生活はどうですか?
もう慣れてきた人、まだペースがつかめない人、いろいろいると思います。

そこで、今日は現法で頑張っている学生を紹介したいと思います。参考になるといいなと思います。

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彼女の名前は亀山さん。
現代法学部の3年生で、法プロフェッショナルプログラムに所属しています。
ゼミは2年・3年と島田ゼミを継続しています。
昨年は、法学検定スタンダードの合格だけではなく、いつの間にか宅建(宅地建物取引主任者)にも合格していました。今年は、資格試験のために外部の専門学校に通い、学校と専門学校の両立で忙しい日々を送っています。

今回は、亀山さんに、主に「法プロフェッショナルプログラム」について聞いてみました。
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現法さん: 亀山さんはどうして東経大の現代法学部に入ったのですか?



亀山さん: 実はあまり積極的な理由ではなく、志望校に合格出来ず悩んでいたときに、父親に勧められて決めました。

現法さん: そうなんですか。 実際入ってみてどうですか?

亀山さん: どこの大学にも高い目標を持って頑張っている人がいるもんだ、と思いました。「法プロフェッショナルプログラム(以下法プロ)」の学生は意識が高く優秀な学生が多いです。しかしそのようなメンバーには普段なかなか出会えない。現代法学部には「法プロ」があるから、そのような仲間に出会うことができました。実際に入学して、大学生活を過ごしてみないと分からないものですね。

現法さん: 「法プロ」に入って充実した学生生活を送っているんですね、よかったです。ところで、「法プロ」の授業はどうですか?

亀山さん: とても楽しいです。特に2年後期の「ケース・スタディ(民事法、村 千鶴子先生)」が面白かったです。授業では、『判例百選』を読んで、要点を抜き出す、ということを繰り返しました。『判例百選』というのは、既に判例の要点をまとめてあるのですが、そこから更に抜き出すのです。この学習では、「問題文を読み取る力」がつくと思います。現在の資格試験の勉強に繋がっていると感じますし、今後、勉強を進めるほど感じるんだろうな、と思います。

現法さん: 「法プロ」は忙しくないですか

亀山さん: そうなんです、よく「法プロは大変そうだ」と言われますが、そこまでではないです。「法プロ」には「環境を与えてもらった」と考えるべきで、後は自分が頑張るだけです。一緒に学ぶ志の高い仲間がいて、担任の先生がいて、専門学校代を支援してもらえる。とてもよい環境です。

現法さん: 1年生に一言お願いします。

亀山さん: 少しでも「入りたい」という気持ちがあるなら試験を受けてみたらいいです。きっと道が開けると思います。女子学生が少ないので、もっと女子学生にも頑張ってもらいたいです。「法律」というとなんだか堅苦しいイメージがあるからかな…でも、普通に社会に出て、会社に入っても、生活しても「法律」って関わりのある身近なものですよ。勉強したことが将来役に立ちます。

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亀山さん、ありがとうございました。

「法プロフェッショナルプログラム」は、亀山さんのように資格試験を目指す学生も所属していますが、法律を真剣に学びたい学生にも門戸を開いています。筆記試験、面接試験は、来年の2月です。現1,2年生が応募することができます。

まずは、応募要件を満たすように頑張ってください。

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応募要件:
1年生 次の3条件をクリアーして下さい。
 ①法学検定ベーシックに合格していること。
 ②1 年次の通算GPA が2.0以上であること。
 ③現代法学部生のみ「リーガルリテラシー入門」「憲法基礎(日本国憲法)」「民事法基礎」「刑事法基礎」のうち、「S」「A」評価が2 科目以上あること。
2年生 次の3条件をクリアーして下さい。
 ①法学検定スタンダードに70%以上の得点率で合格すること。
 ②2 年次(1 年間)の通算GPA が2.0以上であること。
 ③現代法学部生のみ「リーガルリテラシー入門」「憲法基礎(日本国憲法)」「民事法基礎」「刑事法基礎」のうち、「S」「A」評価が2 科目以上あること。(再履コマも可)

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 亀山さんにはいろいろ質問して、そのうちの一部を取り上げましたが、一番印象深かったのは、「昨年1番楽しかった科目は?」と聞いたら、「演習!」と即答だったところです。(※「演習」のことをゼミと言います)

演習では、島田先生は常にこのようなことをおっしゃるそうです。

 「黙らないように」
 「わからなくてもとにかく話すように」


 正解ではなくても、とにかく思ったことを言うように、と指導されるとのこと。

 「自分の意見をきちんと持つ、そしてそれを発言する、と言うのは、社会に出ても必要なことだと思う、しかしあまり的外れなことを言うのも嫌なので、しっかり勉強していきます。」
 と、亀山さんは言っていました。

 なるほど、初めて亀山さんと会ったときからずいぶん変わったな、と思ったのはこのおかげだったのかと現法さんは思いました。

 今年の島田ゼミは、法プロに入ったばかりの新2年生が多く所属しました。「優秀な後輩たちが入って恐い」と亀山さんは言っていましたが、先輩の意地を見せて頑張ってくださいね。

ではまた次回!楽しいゴールデンウィークをお過ごしください。
(ただし5月6日は祝日授業です)