2014年4月23日水曜日

法化社会における人材育成      ~現代法学部15年目の改革~

 

初代学部長 利谷信義 先生
 
 皆さんこんにちは。

新学期が始まり2週間目を迎えています。学内もバタバタしていた空気から、少しずつ落ち着きを取り戻し始めています。
 
現代法学部が2000年4月に「法化社会における人材の育成」を教育目標に掲げ創設され、今年で丸14年、15回目の春を迎えました。これまでに約2,500名の学生を社会に送り出しました。学部長も何代か変わりました。この春から第5代学部長として、礒野弥生先生が就任されました。

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初代学部長 利谷信義先生(20004月~)
第2代学部長 島田和夫先生20024月~)
第3代学部長 宮﨑良夫先生(20064月~)
第4代学部長 大出良知先生20104月~)
第5代学部長 礒野弥生先生20144月~)
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2015カリキュラム改革で行うアクティブラーニング型授業
社会・法学入門(真ん中が礒野先生)
 
礒野新学部長は、現代法学部創設時には島田先生と一緒に、中心となってカリキュラムを設計されたそうです。「現代法学部開設10周年記念講演会」で利谷先生がそのように振り返っています。
 
--(利谷先生講演より)-------------------------
…カリキュラムの原案の作成は、島田和夫教授と礒野弥生教授が中心となり、関係教職員の総力により、その作業はしばしば深更に及んだのです。先ほど島田さんが「当時の職員の方々にご苦労をかけた」と言われましたが、本当に頭の下がる思いでした。
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利谷先生によると、現在のカリキュラムの特徴は[教育目標の達成のために精選された科目群を、効率的な段階学習ができるように]配列されているところです。
 

カリキュラム表について、利谷先生は更に詳しく説明を述べられています。みなさん、カリキュラム表を思い出しながら読んでくださいね。

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①先ず、総合教育科目とコア科目中の導入科目により、現代的な課題への関心を喚起します。喚起といっても相手のあることですが、喚起しようと先生方が頑張っておられたのです。

 
 
②次に憲法・民法・刑法などの基本科目において、法律に関する基礎学力を養成し、その上で展開科目に進みます。将来の進路に即して、行政法群と企業法群のいずれかを選択するのです。

 
③さらに現代的課題について、現実に即した解決手法を修得するためにコア科目を学習します。これは先ほど申しましたように、環境法群・消費者法群・福祉法群のいずれかを選択しますが、他に及んでも差し支えありません。

④以上と併行し、基礎科目において外国語とコンピュータ技術を修得して情報収集力を開発し、さらに法社会学や法史などの基礎法学および経済学・政治学など隣接諸科学の学習によって幅広い視野を養ってもらいます。

 
⑤学習は、その方法の特色として少人数による双方的な学習を基本とし、現実対応能力の育成を目指しました。したがって演習形式が重視されています。また、特色ある学習として、以下のものがあります。 
 

⑥先ず、入学期学習です。入学期には、学生の多様化に伴い高校と大学を繫ぐ導入教育が重要です。「リーガルリテラシー入門」と「文献講読」がこれに対処します。両者とも、単なるユニバーシティスキル、アカデミックスキルに止まらないで、積極的な法識字を身につけてもらう。法の読み書きだけでなく使いこなす、受身じゃなくて積極的な態度を身につけてもらいたいと思ったのです。
 

⑦それから体験学習です。裁判傍聴演習では司法の実情に触れてもらいます。さらに、オフキャンパスワークショップによって、実務の一端に触れる機会を得てもらうのです。


裁判傍聴演習 ロールプレイ
(現4年生の、2年生の時)

 
 
⑧ さらに問題対応学習としてのプロブレムスタディにおいて、現代的課題に対する総合分析・問題発見・解決・提案をする能力を養成するのです。



 
⑨以上を総括してみると、教育目標の明確化と体系的具体化において一貫性が認められるでありましょう。現代法学部のカリキュラムは、新大学設置基準が求める教育目的達成に必要な授業科目による、体系的教育課程の編成という基準をクリアしたのではないかと思います。
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始まりはこのようなカリキュラムでした。
 しかしカリキュラムは常に時代の変化に即応して、生成発展すべきものです。

この後、更にキャリア教育の重視に伴い、キャリア系科目が設置されました。また、資格を目指す学生への支援として、「法プロフェッショナルプログラム」がまず設置され、続いて「ビジネス法プログラム」「国際学プログラム」が設置されました。


 
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  これから社会はどんどんスピードを増して変化するでしょう。現代的課題の解決能力はますます必要となり、解決するだけではなく、改善、改革していく人材も必要とされています。

 来年2015年、現代法学部は時代の変化に応えるべく更なるカリキュラム改革を行います。今回の改革は、創設時に1教員として初代カリキュラム設計に携わった礒野先生が、今度は学部長として取り組まれています。2015年度の現代法学部カリキュラムはどのようになるでしょうか。今大学であれやこれやと最終的な調整を行っています。結構大変な作業です。決定したら、また礒野先生にインタビューしてみようと思います。

 みなさんもぜひ、「現代法学部開設10周年記念講演会」の利谷先生の講演を読んで、現代法学部の名前の 由来等知ってください。
【現代法学部開設10周年記念講演会へ】法化社会における人材育成―現代法学部の10年―利谷信義先生

 さらに、10周年パンフレットを見て、現代法学部の15年間に想いを巡らせつつ、2015年カリキュラムをお待ちください。(先ほど島田先生に「パンフレットの写真若いですね」と言ったら 「今と変わらないだろ!」と怒られました)
 
 

 ではまた次回!