2014年2月26日水曜日

「特別授業」が決まりました!    ~授業の背景とともに少し紹介~

ゲストを迎えての授業風景(ゲスト:神山啓史弁護士)

タイトルを見て
「特別授業?なにそれ?」
と思った人、

 上級生の場合はNGです!毎年開講していますよ(「履修の手引き」参照)。
 
 「特別授業」は、「卒業要件表」には載っていない科目で、今話題の内容を扱ったり、学生の要望が多いため開講する科目です。未来永劫開講するわけではないので、「特別授業」という形で開講しますが、
「まさに今学んでほしい!」
 
という、教員の思いが詰まった授業が多いです。

 2014年度に現代法学部で開講する特別授業が出揃いました。

 発表は3月上~中旬ですが、少しだけご紹介。曜日時限は『多分』変更はないと思いますが、最終的には「TKUポータル時間割」や「履修の手引き」で確認してくださいね。

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①「商取引と法a/b」 火曜4限 桜井 健 先生  

 「商取引」は、「ビジネスの”根幹”」
 ということで、実はこの科目、すでに経営学部の常設科目です。しかし、その授業を担当している桜井先生は「現代法学部」の先生です。

 このように、他学部のために現代法学部で企画し、現代法学部の先生が講義を担当する授業もありますし、他学部で企画して、他学部の先生が現代法学部の学生のために講義を行う授業もあります。「市場の経済学a/b」などがそうです。担当する安田行宏先生は経営学部の先生です。

 毎年夏ごろ、他学部宛に「この科目をうちの学部に開講することを検討してください」という依頼をお互いに行います。持ちつ持たれつです。
 
 東経大の「経済」「経営」「現代法」「コミュニケーション」の4学部の知的資源を最大限に生かすための仕組みです。

 さて、この科目を現代法学部でも特別授業として行う背景は2つあります。

 ①一つ目の理由は、2010年度入学生から、現代法学部でも「ビジネス法プログラム」を開設し、ビジネスの法務部門や財務部門で活躍したい学生への支援を行い始めたこと。昨年ビジネス法プログラム所属生の長田君にインタビューしましたので是非見てください。

 【東経大ホームページへ】現代法学部学生インタビュー「ビジネス法プロでかっこいいビジネスパーソンになる!」
 

 ②二つ目の理由としては、現代法学部の常設科目に「手形小切手法」という科目があるのですが、現在の商取引では「手形小切手」よりも、「銀行振込」「電子決済」「電子記録債権」などにシフトしてきています
 多くのみなさんは一般企業に就職するわけですから、法律がたびたび変わる商取引法の最新の内容を学ぶことはとても重要だと現代法学部では考えて、数年前から「手形小切手法」を休講してこの科目を設置しています。

 授業では、1期はどの商取引にも関係する支払決済に関する法律を学び、2期では、具体的な取引類型、業種別に学んでいきます。
 この科目は2015年度から常設科目になる予定です。経営学部と合併開講としますので、経営学部の学生さんと一緒に授業を受けることができます。


②「少年法」 1期金4限 葛野 尋之 先生     

 お待たせしました!という感じでしょうか。

 過去の記録を見ると何回か「少年法」を開講しています。そして毎回満員御礼の授業です。今回開講するのも、学生さんの要望が多かったからです。

 「要望が多いなら常設科目にしたらいいのに。」と思うと思います。2015年度から常設科目にするよう準備を進めています。

 少年法は2000年以降3回も改正されています。そして現在も重要な改正提案が行われています。
 この授業では少年法の基本的性格から、その成り立ち、刑事訴訟法との対比、現行の少年法の特色、今後の改正案についてなどについて扱います。2年生から履修可能です。担当していただく葛野先生は、一橋大学が本務校で、東経大でお迎えするのは初めてです。


③「契約社会を生きる」 2期金5限 島田 和夫 先生 
 

 「契約法」が現代社会においてどれだけ身近な法律であるかをこのブログで何回か取り上げました。

【過去の記事】こんな時代だから法律を学ぼう~その①『市民のための契約法講座』開催中~
【過去の記事】こんな時代だから法律を学ぼう~その②『市民のための契約法講座』開催中~

 「契約法」は「学ばなければ分からない」、でも「学ぶ場所がない」という中で、現代法学部生は幸いなことに学ぶ環境があります。
 しかし今回は、この科目を全学部に開放することとし(東経大の全学生が受講可能)ました。
 
 担当する島田和夫先生は、社会人教育だけではなく、近隣の中学校などでも消費者教育にご尽力されています。今回全学部に開講するのは、2014年度末で退職される島田先生の「想い」がこもっていますので、ぜひ皆さんにそのメッセージが伝わればいいなと思います。

④「福島原発事故の今ー被害と救済・原状回復」 1期金5限 礒野 弥生 先生、片岡 直樹 先生 
 

 この授業は「特別授業」の中でも「特別企画講義」という形で行います。
 「特別授業」と何が違うかというと、「特別企画講義」は、毎回ゲスト講師を招いて、生の現場の声を聞く授業です。

 3.11から3年が過ぎようとする今、ニュースでは淡々と読み上げられている福島原発の記事も、現場の声を聞くとまた違ったものが見えてくるはずです。

 予定では、地元の農家、廃棄物処理問題の専門家、情報公開に関するNPO法人代表、公害裁判に長年携わっている弁護士、被害者訴訟原告、弁護士、市区町村の職員のみなさんに依頼し了解を得ています。

 環境法の礒野先生、片岡先生が授業を担当しますが、経済学部の尾崎寛直先生、全学共通教育センターと現代法学部に所属の徐京植先生にもご協力をいただきます。

 この科目も全学部のみなさんが履修可能ですが、現代法学部の1年生は、必修科目「リーガルリテラシー入門」と時間割が重なっているので履修することができません。いろいろ検討したのですが、ゲストを呼ぶ都合でこのような時間割になってしまいました。
 もし気になる人がいたら、礒野先生、片岡先生を訪ねてくださいね。

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 いかがでしたか?
 どれも「現代」の諸問題についての内容となっています。まさに現代法学部」ならですね。
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 上記のほかにも、他学部や全学共通教育センターで企画して、現代法学部生にも授業を開講してくれる特別講義(特別企画講義含む)は、以下の通りです。是非履修してみてください。詳細は(何度も言いますが)「履修の手引き」で確認のこと!3月上~中旬に配布を始めま~す。

[他学部や全学共通教育センター主催で、現代法学部にも開講する予定の特別講義一覧]
 
・資本市場の役割と証券投資
 
・ペットと人間の社会経済学①
 
・ペットと人間の社会経済学②
 
・地球規模の環境問題と国際経済の動き
 
・学生の地域貢献
 
・「エコキャンパス」を創る
 
・金融キャリア講座
 
・現代商品市場論
(東京工業品取引所・東京穀物商品取引所・日本商品先物振興協会 提供講座)
 
・情報サービス産業論
 
・コンセプトと表現
 
・コミュニケーションワークショップ
 
・ビルマ語
 
・ポルトガル語
 
・ロシア語
 
・ビジネス日本語
 
・数学ワークショップ
 
・数学入門a・b
 
・世界の言語と文化
 
・歴史で知る東京経済大学
 
・中国事情
・日本事情
・日本語講読
・日本語会話
・地域インターンシップ
 
 ※履修要件(学年、対象者)等は[履修の手引き]で確認してくださいね。






 

2014年2月17日月曜日

「都知事選」を振り返る            ~憲法学者に聞く、今回の都知事選~



昨年度の加藤 一彦ゼミ(先生は前列真ん中)



 29日(日)に東京都知事選がありましたね。皆さん投票に行きましたか?
 
以前のブログで、政治学の藤原 修先生が「どうやって選んだらよいか」という質問に答えてくれました。
選挙の結果、舛添要一さんが都知事に当選しました。「あ、自分が投票した人だ!」と思った人もいれば、「なんで~」と思う人もいると思います。

そこで、今回は加藤一彦先生に、今回の都知事選や、選挙のことなどについて質問してみました。抽象的な質問になってしまったので、加藤先生は答えにくかったと思います。(すみません!)
 他にも質問があれば、加藤先生に直接質問してください。

加藤先生は「憲法」「法学」などを担当されています。また、加藤ゼミでは、必ず毎年度「憲法論集」に掲載する小論文を書かせています。加藤ゼミの学生が遅くまで図書館で調べ物をしている光景は有名です。真剣に勉強する学生に対する加藤先生の熱意は、半端ではありません。「憲法」を真剣に学びたい人はぜひ加藤研究室のドアをノックしてみてください。

Q 舛添要一さんが都知事に当選したのはなぜだと思いますか?

A 複合的要素があります。都民の最大関心事は、景気・雇用問題と福祉政策の充実化でした。「脱原発」も争点だったのですが、「脱原発」賛成/反対という単純な選挙ではありませんでした。加えて、細川さんと宇都宮さん、2人とも「脱原発」候補者だったため、票が分散したことも、舛添さんに有利に働いたといえるでしょう。総じて言えば、舛添さんに「マイナス要素」が見あたらなかったことが、ダブル・スコアの勝利につながったと思います。

Q 大学生は、在学中に成人になり、初めて選挙を経験しますね。選挙をするにあたって、どんな心構えをしておいた方が良いでしょうか。

A まず、選挙年齢を確認しておきましょう。日本では、成人年齢は満20歳です(民法4条)。公職選挙法91項は、「日本国民で年齢20年以上の者」に国政選挙と地方自治体の選挙権を付与しています。成人=有権者と読めますが、成人年齢と選挙権獲得年齢は必ずしも一致しなくても良いのです。18歳から有権者にする計画もあります。私も18歳に引き下げることに賛成しています。18歳といえば、多くの人は高校生です。高校の社会科教育で、「立派な主権者教育」をするようになるからです。

選挙の方法について、身近な市町村長の選挙を例にあげて、説明しましょう。満20際以上の学生さんには、選挙公示日以降、市町村選挙管理委員会から「投票所入場整理券」(葉書)が郵送されます。投票日にこれを持参して、記載してある投票所に行って下さい。受付では、これを提出し、引き替えに「投票用紙」1枚を受け取って下さい。あとは、自分の心に決めている人の名前を書いて下さい。記載台には、候補者名が掲示されていますから、間違わないようにフルネームで記入して下さい。鉛筆も置いてあります。漢字に自信がなければ、全部ひらがな/カタカナでもOKです。その後は、投票箱に入れておしまいです。

Q どんな基準で、候補者の選択をしたら良いのでしょうか

A これには、正解はありません。「祈りにも近い気持ち」としか言いようがありません。AKB48総選挙では、遊び心があってもいいのですが、公職にある者を選ぶ選挙は、民主主義の質をも表します。選挙は遊びではなく、国民の公務という自覚から、選挙を見つめてはどうでしょうか。

20歳になって、初めての選挙の時には、必ず投票しましょう。最初の時に投票しなければ、必ずサボリ癖がつきます。皆さんが、親となり子を持ち、小学生の子供から「お父さん、お母さん、どうして僕の学校で投票しないの?」と聞かれて、自分の子供にどう答えるでしょうか。立派な答えかどうか、私も知りたいところです。

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2014年2月12日水曜日

どうして起きるの食品偽装      「食品偽装と法」~和泉澤先生に聞く~



和泉澤 衞 教授

「食品偽装」
 
googleに打ち込むと、たくさんの記事がでてきます。

食品偽装はお客さんが気づくのは難しいですよね、もしお寿司屋さんに行って「大間のマグロ」を注文しても、美食家ではない現法さんは、本当に「大間のマグロ」を食べているかわからないと思います。「これだけの値段を払うんだから大間産に違いない!」と思って食べるわけです。私たちはお店の伝統、評判、表示、価格などで信用するしかありません。

 万が一「変だなぁ」と思っても、日本人的発想だと「今日だけ味が違うのかな」とか思ってしまいそうです。

 しかし有名ホテルでも老舗の料亭でも、食品偽装が繰り返されます。さすがに日本ですから、段ボールをひき肉だといって提供する店はないでしょう、食べて害があることはない範囲の産地偽装ですが、それでも、「美味しい!さすが伊勢海老!」なんて言いながら食べたものが、「実はロブスターでした」とニュースで放送された日には、お金の問題もありますが、それよりもなんだか悲しくなると思います。あと、褒め称えた自分がちょっと恥ずかしい…


 偽装表示がバレてネットに流れると、これから先もずっと残ってしまうわけで、そのほうがお店にとっては痛手ではないのかなと思います。それなのに「どうして偽装をするんだろう」「なぜ簡単に偽装表示ができてしまうんだろう」と思ったときに、
 
「きっとこれは法律に問題があるのでは」

 
と考えた現法さんは、現代法学部のシラバスを調べたところ、「広告・表示と法(和泉澤 衞先生)」という授業がありました。シラバスはこちら⇒「広告・表示と法」2013年度シラバス

 和泉澤 衞先生は、島田長老によると、以前は「公正取引委員会」に勤務され「表示課長」をされていた、この頃に知り合ったんだよーとのこと。今回は和泉澤先生にこの問題について聞いてみました。
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現法さん: 偽装表示・食品偽装って違法ですよね。
 
先生: そうですね。でも、皆さんは、東京『経済』大学の『現代』法学部ですから(かぎカッコに妙に力が入る!)、根っこのところからお話ししましょう。表示や広告というのは、企業と消費者の間のコミュニケーションですからね。
 
現法さん: コミュニケーション?(内心、こりゃ長くなるかもしれないと構える)
 
先生: 簡単にいうと、そのプロセスの要素は、①送り手(センダー)、②受け手(レシーバー)、③伝達の中身(メッセージ)の3つだけ。メッセージとは情報ですから、人間の五感で認識できるものなら何でもOK。普通は、視覚や聴覚によるものが中心ですが、例えば、焼き鳥屋さんの美味しそうな匂いに誘われて…ついフラ~っと入店、というのもそのメッセージを受けての反応・行動ですよね。
    送り手を企業、受け手を消費者、メッセージを表示・広告、と当てはめると分かりやすいです。我々消費者は、個々の商品やサービスの内容・品質などの情報をその製造販売業者ほど知っていません。そこで、消費者は、何を買おうかな・どれにするかなといった商品選択をするとき、メッセージ(表示・広告)を頼りに判断するということになります。
 
現法さん: 情報の非対称性ですね(そうか、不完全情報の経済学が入口かぁ。うまく相槌が打ててよかったぁ)。
 
先生: さあ、そのときの一般消費者の認識はどうでしょうか。通常、そのメッセージ(表示・広告)から受ける印象どおりのものと考えたり期待したりしますよね。実際、企業が売る商品・サービスがそのとおりのものであれば何の問題もありませんし、かえって消費者の適正な商品選択にとって好ましいことです。なお、以下、企業が売る「実際の商品」と略称します。
    ですが、そのメッセージから受けた消費者の印象・認識と実際の商品との間に大きなギャップ(え~っ、こりゃ違うじゃないの!ということ)があったら、感情論からすれば「嘘つき」、法律論からすれば「『誤認』ということで消費者の商品選択をゆがめる行為は、自由経済体制にとって害悪」ということになります。消費者は、国民経済や自由経済市場において、買い手という重要・不可欠なメンバーなのですからね。
 
現法さん: 偽装表示とか虚偽誇大な広告表示とかは、単に「嘘はイケナイ」ということだけじゃなく、経済や法律にかかわってくることなのですね。ところで、どんな法律にどう違反するのですか。(早く、法律論に入ってよ~)
 
先生: いい質問ですね~。単純に嘘はイケナイという法律があったら、我々全員、違反行為者!になっちゃう・笑。そこで、商品やサービスの取引(販売・提供)に関してというシボリが必要。そして、この世の中、多様な商品・サービスがありますから、それら全部を対象とした「一般法」と特定の商品等に限った「個別法(業法)」とに分かれる。
    虚偽誇大な表示・広告を全般的に扱う一般法としては、景品表示法(正式名称は、不当景品類及び不当表示防止法・昭37134号)があって、消費庁が所管しています(都道府県でも運用されている)。行政庁が、被疑情報の収集 → 必要な調査 → 措置(排除命令等)を行うほか、業界に適正表示のための自主基準を作成させるなどをしています(公正競争規約制度)。不当表示に対する適用法条は同法4条で、一流百貨店が仕入れをよく確認しないで「カシミヤ100%」と広告表示してしまった違反事例などもあります。
    これ以外の一般法としては、手続は行政ではなく民事・刑事のものですが、不正競争防止法・平547があります(法律番号は若いが昔からある法律)。例えば、極めて悪質な事案に対する刑事罰ということだと、こちらになります。ミートホープ事件(ニセ100%牛肉ハンバーグ。刑法・詐欺罪も適用)やウナギ産地偽装事件などがあります。
    どう違うかって? 一言でいうと、要件として、景品表示法は消費者に「誤認される」で、不正競争防止法は「誤認させる」ということです。すなわち、前者・景品表示法の場合、うっかりミスでしたとかそんなつもりじゃなかったという言い訳は通用しな~い。実際の商品はそうじゃないのに、企業が発した当該メッセージ(表示・広告)によってあたかもそうなんだと一般消費者に誤認されてしまえば、アウトということにもなってしまう。ですから、企業側としては、表示・広告で消費者にメッセージを送るには相手の立場も考えて、十分な内部チェック等が必要ということなのですよ。企業のコミュニケーション能力だし、信用を高めるコンプライアンス(法令遵守)体制の問題でもあります。その意識が低い企業というのは、消費者にとっても迷惑ッこれは、就活じゃなく、就職してから大事になる話だから、忘れないように。なお、後者(刑事罰)については、故意・意図は必要ですよね。
 
現法さん: 簡単に、個別法とかは?(そろそろ終わりにしましょうよ~)
 
先生: これが笑っちゃいましてね。確かに過去その必要があって各種の個別法が制定されたのでしょうが、所管官庁ごとのタテ割りというかタコツボ状態で、小六法に載っていないのが沢山ある。農林物資だけを対象としたJAS法、健康や安全性だけからみる食品衛生法・健康増進法・薬事法、経産省ものでは家庭用品品質表示法・消費生活用品安全法・電気用品安全法(何がどう違うの?!)、販売方法という切り口の割賦販売法・特定商取引法、景観の面からは屋外広告物法、業法の中に表示・広告の条項が入っているものとしては宅地建物取引業法(不動産広告)など、枚挙にいとまがない。まぁ、消費者サイドからみると、ぐちゃぐちゃのデコボコではなく何とか統合・統一できないのという気持ちになりますよね(昔、霞が関の役人をしていた時代、行政側!の自分自身もそう思った)。なお、各種の法律の細かい話は、授業で。
 
    最後に、新しい情報を一つ。消費者向けの食品表示について、やっとそれを一元化する法律ができた(食品表示法・平2570号。施行は、多分、来年の春から)。これは、JAS法・食品衛生法・健康増進法の食品表示に関する規定を整理・統合したもので、消費者にとっても企業にとっても、これまでのバラバラの規制ではなくこの1本に集約されるという点で朗報ですね。あ、オマケの情報。景品表示法の違反行為に対してペナルティ金を国庫に納付させる「課徴金制度」を導入すべきではないかという検討も、内閣府の消費者委員会で、つい先日の2月6日からスタートしています。今後どうなっていくか楽しみですね。
 
現法さん: ありがとうございました(へ~っ、法律って実社会に出てからが大事なんだな~)。
 
 
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いかがでしたか?現法さんに分かりやすいよう説明してくださいました。直近のホットなネタまで提供していただきました。和泉澤先生ありがとうございます!
 
「もっと深く知りたい」という人は、是非和泉澤先生の授業を履修してみてくださいね。

ちなみに「広告・表示と法」は2014年度は1期木曜1限です。
(え~1限!!という声が聞こえてきそうですが・・・頑張って!)
 
ではまた次回。

2014年2月6日木曜日

こんな時代だから法律を学ぼう その② 『市民のための契約法講座』 開催中



市民のための契約法講座 講師 : 村 千鶴子先生
前回のブログで、現在大学と国分寺市と共催で「市民のための契約法講座」を開催している旨告知しました。現在絶賛公開中です。
「入門講座」3回が終了し、いよいよ「基礎講座」に突入しています。そして、再来週2月18日が最後の講座になります。
 
基礎講座を担当する村 千鶴子先生に、前回の基礎講座の内容と、最終講座ではどのような内容を扱うのかを聞いてみました。ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら是非ご参加ください。
 
 村 千鶴子先生は「民法(契約法)」「特殊販売と法」「消費者契約と法」「裁判傍聴演習」などを担当されています。外部で村先生のお名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、主に消費者問題で活躍されている弁護士でもあります。
 
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 国分寺市と共催で開催している「市民のための契約法講座」は2月18日に基礎講座第二回目を行います。
 この講座は、私たちが日々の生活を送ったりビジネスに携わるときには「契約」についての知識が必要であるということから身近で必要な基本的な知識を身につけることを目的として企画されたものです。国分寺市の共催なので国分寺の駅ビルのホールで行うという大変贅沢なロケーションとなっています。

 
基礎講座の第一回目は2月4日に行われました。
第一回目では民法で定めている契約の基本ルールをとりあげました。
  • 「契約」とは何か。
  • 「契約」を結ぶとはどういうことか。どういうときに「契約」は成立するのか。
  • 「契約書」はなぜ作成するのか。「約款」って何か。
  • 「契約」を守る義務があるとはどういうことか。破った時の責任は?

  基礎講座の第二回目2月18日午後7時からは、第一回目の基礎講座の内容を踏まえて
契約に関する消費者法の基礎知識を取り上げます。取り上げる内容は次のようなものです。
  • 民法の契約ルールだけだとなぜ消費者には不利なのか。
  • クーリング・オフ制度の制度趣旨。クーリング・オフの活用方法。
  • ネットショッピングなどの通信販売にクーリング・オフ制度がない理由。返品制度とクーリング・オフ制度の違い。
  • 消費者契約の場合の民法の契約ルールと違うところはなにか。
  • 事業者の説明が事実と違うときの責任分配。
  • 契約条項は事業者の自由に決めてもよいものか。
 これらはすべて普段の暮らしに役に立と思います。

 また、東京経済大学では、「特殊販売と法」「消費者契約と法」などの消費者法の講義科目や消費者法のゼミがありますが、その入門編として聞いても参考になると思います。

【東経大ホームページへ】現代法学部カリキュラム表

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 学生のみなさんも、是非聞きに来てください。
 また、国分寺市在住のみなさんや一般の方の聴講も可能です。参加費は無料です。お気軽にお立ち寄りください。
 とき:2014年2月18日(火) 19:00から
 場所:国分寺Lホール(国分寺駅ビル8階)
 
※受付で「事前に申し込んではいないけれども参加したい」と言ってください。
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◆入門講座(身近な事例で学ぶ入門講座)
 
 【済】第1回 契約社会に生きる ~買い物は契約、契約にはルールがある~ 島田和夫
 【済】第2回 投資被害にあわないために ~NISA(少額投資非課税制度)開始で要注意~ 桜井健夫
 【済】第3回 消費者はどのようにしてだまされるのか ~だまされる消費者が悪いのか~ 村本武志

◆契約法の入門の入門

 【済】第4回 契約ルールの基礎知識① ~民法の契約ルール~ 村 千鶴子
 【次回】第5回 契約ルールの基礎知識② ~消費者契約の特別ルール、クーリング・オフ~ 村 千鶴子
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現代法学部が、

 「現代社会の諸問題を通じて、法律を学んでいく」ことに力を入れている

ことは学生のみなさんはご存じだと思いますが、コア科目として設置している「消費者」「環境」「福祉」は、まさに、学んだことが実生活に役立つように制度設計されています。
 
余談ですが、2015年度カリキュラムからは、この3つが「プログラム」として独立する予定です。
 
 
それではまた次回。